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医政羅針盤

岸田政権から石破政権へ:回顧と展望

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2024年10月15日号

 自由民主党総裁選挙への出馬を断念し、3年間にわたる首相の座から退いた岸田文雄前首相は、SNSなどで「検討使」と揶揄されてきたものの、歴代の政権と比較すると、実はかなりの業績を上げている。それは、外交・安全保障分野で特に顕著であり、首相就任後1年余りで、以前であれば国論を二分して紛糾したであろう敵基地に対する反撃能力の保有や、防衛費の増額などを盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定した。戦後の安全保障政策の大転換を成し遂げたのである。  また、地元の広島で開催したG7サミットでは、核軍縮に関する「広島ビジョン」や経済安全保障の共同声明を発出したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領も招待し、成功を収めた。この時ばかりは内閣支持率も上昇した。対露経済制裁とウクライナ支援や、日韓関係の改善なども、首相が違っていれば、同じようには進まなかったかも...  自由民主党総裁選挙への出馬を断念し、3年間にわたる首相の座から退いた岸田文雄前首相は、SNSなどで「検討使」と揶揄されてきたものの、歴代の政権と比較すると、実はかなりの業績を上げている。それは、外交・安全保障分野で特に顕著であり、首相就任後1年余りで、以前であれば国論を二分して紛糾したであろう敵基地に対する反撃能力の保有や、防衛費の増額などを盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定した。戦後の安全保障政策の大転換を成し遂げたのである。  また、地元の広島で開催したG7サミットでは、核軍縮に関する「広島ビジョン」や経済安全保障の共同声明を発出したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領も招待し、成功を収めた。この時ばかりは内閣支持率も上昇した。対露経済制裁とウクライナ支援や、日韓関係の改善なども、首相が違っていれば、同じようには進まなかったかもし

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