巻頭言
米国の薬価直接交渉、 実質の引き下げ率は相当低い
髙山 一夫・京都橘大学 教授
2024年11月1日号
——インフレ抑制法(IRA)に基づくメディケアパートD(院外処方給付)で10品目の薬価直接交渉の結果が明らかになりました。26年1月からこの薬価が適用されます。
髙山 リスト上の薬価からの引き下げ率は平均63%、個別品目では「エリキュース」56%「フォシーガ」68%、「フィアスプ/ノボログ」76%などと、とても下がったように見える。ただ、米国で発表された論文(※)では、パートDの各保険プランで行われている製薬企業からのリベート提供分を除くと、実質引き下げ率はエリキュース11%、フォシーガとフィアスプ/ノボログは0%と推計している。値段面ではあまり安くなっていないのではないかと見ている。
一方、直接交渉対象薬についてはパートDで必ず給付しなければならなくなった。現在は対象薬の給付の事前審査が厳しい、品目によっては患者負...
——インフレ抑制法(IRA)に基づくメディケアパートD(院外処方給付)で10品目の薬価直接交渉の結果が明らかになりました。26年1月からこの薬価が適用されます。
髙山 リスト上の薬価からの引き下げ率は平均63%、個別品目では「エリキュース」56%「フォシーガ」68%、「フィアスプ/ノボログ」76%などと、とても下がったように見える。ただ、米国で発表された論文(※)では、パートDの各保険プランで行われている製薬企業からのリベート提供分を除くと、実質引き下げ率はエリキュース11%、フォシーガとフィアスプ/ノボログは0%と推計している。値段面ではあまり安くなっていないのではないかと見ている。
一方、直接交渉対象薬についてはパートDで必ず給付しなければならなくなった。現在は対象薬の給付の事前審査が厳しい、品目によっては患者負担
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