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医工連携

組換抗体を迅速選抜

医工連携の実践者 129 渡辺貴志 理化学研究所技師

2024年12月15日号

 モノクローナル抗体は、その抗原との特異的な結合性(抗原抗体反応)を治療・診断・研究に広く利用されている。抗体は、脊椎動物の液性免疫系で重要な役割を果たすタンパク質であり、ゼロから設計・合成するのは非現実的なため、細胞に産生させる。  元来の産生細胞であるB細胞と不死の骨髄腫細胞(ミエローマ)とを融合させて無限に増殖可能な「ハイブリドーマ(融合細胞)」とする手法が75年に確立され、産生細胞を安定して得られるようになった。融合させる元のB細胞は、マウスなどに標的への免疫反応を起こさせた後、その脾臓から取り出す。  ただし、抗原抗体反応のエピトープ(抗原決定基)は複数あるのが当たり前で、つまり活性の異なる抗体を産生する別起源のB細胞クローンが脾臓内に混在しており、活性の高いものを選抜する過程が欠かせない。ハイブリドーマ法では...  モノクローナル抗体は、その抗原との特異的な結合性(抗原抗体反応)を治療・診断・研究に広く利用されている。抗体は、脊椎動物の液性免疫系で重要な役割を果たすタンパク質であり、ゼロから設計・合成するのは非現実的なため、細胞に産生させる。  元来の産生細胞であるB細胞と不死の骨髄腫細胞(ミエローマ)とを融合させて無限に増殖可能な「ハイブリドーマ(融合細胞)」とする手法が75年に確立され、産生細胞を安定して得られるようになった。融合させる元のB細胞は、マウスなどに標的への免疫反応を起こさせた後、その脾臓から取り出す。  ただし、抗原抗体反応のエピトープ(抗原決定基)は複数あるのが当たり前で、つまり活性の異なる抗体を産生する別起源のB細胞クローンが脾臓内に混在しており、活性の高いものを選抜する過程が欠かせない。ハイブリドーマ法では、

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