家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
ツイミーグ:価格はメトホルミンの4倍も糖代謝改善には差なし
第58回
黒澤 恵
2024年12月15日号
今回は21年に上市された血糖低下薬「ツイミーグ」(イメグリミン)を取り上げる。
23年4月には在庫が逼迫するほど処方量が伸びた。しかし、その血糖低下作用はプラセボにこそ(当然)勝るものの、安価な従来薬と比較した優越性は不明だった。さらに大血管症や細小血管症に対する抑制作用も未知である。にもかかわらずそれほど処方が増えたとは、日本におけるEBMの成熟度がわかろうというものだ。
さて、11月には待望のイメグリミンと他剤の血糖降下作用比較試験が論文化された(①)。40例と少数だが無作為化試験である。対照薬はメトホルミン。血糖降下剤未使用、あるいは経口剤1剤のみ服用中だった、日本在住の2型糖尿病患者が登録された(メトホルミンやイメグリミン使用例は除外。服用薬は試験前に中止)。用量は両剤とも、国内標準用量である。
その結...
今回は21年に上市された血糖低下薬「ツイミーグ」(イメグリミン)を取り上げる。
23年4月には在庫が逼迫するほど処方量が伸びた。しかし、その血糖低下作用はプラセボにこそ(当然)勝るものの、安価な従来薬と比較した優越性は不明だった。さらに大血管症や細小血管症に対する抑制作用も未知である。にもかかわらずそれほど処方が増えたとは、日本におけるEBMの成熟度がわかろうというものだ。
さて、11月には待望のイメグリミンと他剤の血糖降下作用比較試験が論文化された(①)。40例と少数だが無作為化試験である。対照薬はメトホルミン。血糖降下剤未使用、あるいは経口剤1剤のみ服用中だった、日本在住の2型糖尿病患者が登録された(メトホルミンやイメグリミン使用例は除外。服用薬は試験前に中止)。用量は両剤とも、国内標準用量である。
その結果、
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