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財界論

狼狽する財界(上)

第51回 経団連の別行動隊とは

茨城大学名誉教授 古賀純一郎

2024年12月15日号

 政界でしばしば語られる用語に「一寸先は闇」がある。岸信介政権下で幹事長、池田勇人政権下では副総裁を務めた、政局の流れをつくる達人とも言われた川島正次郎氏が周辺にしばしば漏らした言葉だと言われている。当時は派閥政治が全盛で、この合従連衡で政局が動いていた。ある料亭での夜の密談などで急転直下、首相が決まったりしたのである。  今回の総選挙やトランプ前米大統領の返り咲きで日本経団連の十倉雅和会長はこの意味の深さを強く噛みしめているのではあるまいか。再選を強く期待していた盟友の岸田文雄前首相は低支持率で再選の断念を余儀なくされたばかりか、先の総選挙ではあろうことか頼みの自民党が少数与党に転落したのである。拮抗報道が続いていた米大統領選に至っては期待とは裏腹に、良識や節度とは無縁の予測不能な候補が再選された。過度な保護主義につながる自...  政界でしばしば語られる用語に「一寸先は闇」がある。岸信介政権下で幹事長、池田勇人政権下では副総裁を務めた、政局の流れをつくる達人とも言われた川島正次郎氏が周辺にしばしば漏らした言葉だと言われている。当時は派閥政治が全盛で、この合従連衡で政局が動いていた。ある料亭での夜の密談などで急転直下、首相が決まったりしたのである。  今回の総選挙やトランプ前米大統領の返り咲きで日本経団連の十倉雅和会長はこの意味の深さを強く噛みしめているのではあるまいか。再選を強く期待していた盟友の岸田文雄前首相は低支持率で再選の断念を余儀なくされたばかりか、先の総選挙ではあろうことか頼みの自民党が少数与党に転落したのである。拮抗報道が続いていた米大統領選に至っては期待とは裏腹に、良識や節度とは無縁の予測不能な候補が再選された。過度な保護主義につながる自国

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