医薬経済オンライン

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健康保険はじめて物語

被扶養者のはじめて(その2)

第12回

フリーライター・早川幸子

2025年1月1日号

 1931(昭和6)年9月18日の夜、中国・遼寧省の奉天郊外にある柳条湖で南満州鉄道の線路が何者かの手によって爆破された。この柳条湖事件は日本軍による自作自演で、侵略の口実をつくるために関東軍参謀の石原莞爾中佐らが起こした爆破だった。若槻礼次郎内閣は、政府の了承を得ずに起こした関東軍の軍事行動に対して不拡大方針をとったものの、メディアの扇動によって国民もまたこの侵略戦争を支持し、熱狂の渦に飲み込まれていった。勢いにのった関東軍は、中国東北部(満州)の主要都市を次々と占領し、日本軍の傀儡政権である満州国建国につながっていく。満州事変以降、軍部の政治支配は強まり、日本は「十五年戦争」と呼ばれる長い戦争へと突入していくことになる。そして、1937(昭和12)年の日中全面戦争突入を機に本格的な戦時体制がとられるようになると、健康保険をはじめとした社会保険も、...  1931(昭和6)年9月18日の夜、中国・遼寧省の奉天郊外にある柳条湖で南満州鉄道の線路が何者かの手によって爆破された。この柳条湖事件は日本軍による自作自演で、侵略の口実をつくるために関東軍参謀の石原莞爾中佐らが起こした爆破だった。若槻礼次郎内閣は、政府の了承を得ずに起こした関東軍の軍事行動に対して不拡大方針をとったものの、メディアの扇動によって国民もまたこの侵略戦争を支持し、熱狂の渦に飲み込まれていった。勢いにのった関東軍は、中国東北部(満州)の主要都市を次々と占領し、日本軍の傀儡政権である満州国建国につながっていく。満州事変以降、軍部の政治支配は強まり、日本は「十五年戦争」と呼ばれる長い戦争へと突入していくことになる。そして、1937(昭和12)年の日中全面戦争突入を機に本格的な戦時体制がとられるようになると、健康保険をはじめとした社会保険も、戦争

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