医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

薬のおカネを議論しよう

新薬推奨のジレンマ:医療資源を巡る選択

第128回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2025年1月1日号

 この冬、インフルエンザA型の罹患者が急増しているが、新型コロナウイルス感染の流行もある。高リスク患者以外はコロナ薬を処方することは稀で、コロナワクチン接種希望者もそれほどの数にならなかった。そこで思うのが、コロナ禍に費やされた多額の費用だ。  24年6月時点の報道によると、国が購入したコロナ薬のうち未使用は約440万人分で3000億円超、コロナワクチン約2億4415万回分で6600億円超となっていたという。最終的な金額は不明だが、約1兆円が廃棄される新薬に浪費された。もちろん、多め備えたほうがよいという判断はあったのだろうが、この金額はどうなのか。医療政策において、新薬の導入は多くの可能性と同時に課題をもたらす。ちょうどそのような分析が英医学誌『ランセット』オンライン版24年12月12日付でロンドン政治経済学院のグループから発表されたので紹介しよう。 ...  この冬、インフルエンザA型の罹患者が急増しているが、新型コロナウイルス感染の流行もある。高リスク患者以外はコロナ薬を処方することは稀で、コロナワクチン接種希望者もそれほどの数にならなかった。そこで思うのが、コロナ禍に費やされた多額の費用だ。  24年6月時点の報道によると、国が購入したコロナ薬のうち未使用は約440万人分で3000億円超、コロナワクチン約2億4415万回分で6600億円超となっていたという。最終的な金額は不明だが、約1兆円が廃棄される新薬に浪費された。もちろん、多め備えたほうがよいという判断はあったのだろうが、この金額はどうなのか。医療政策において、新薬の導入は多くの可能性と同時に課題をもたらす。ちょうどそのような分析が英医学誌『ランセット』オンライン版24年12月12日付でロンドン政治経済学院のグループから発表されたので紹介しよう。

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence