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一筆入魂

能登半島地震から1年で見えてきた「諦め」の正体

尾﨑都医会長の被災地行脚に同行して聞けた本音

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2025年1月15日号

 能登半島地震から間もなく1年が経とうとしていた24年11月、東京都医師会の尾﨑治夫会長ら幹部が、奥能登の被災地を訪ねた。東京にいると現地の状況がつかめない。加えて粘り強い気質もあり、支援を求める声も伝わってこない。なにか支援できないか。現地で話を聞きたいとの尾﨑会長らの思いで決まった。   尾﨑会長を駆り立てたのは被災直後から能登地方に通っている都医の西田伸一理事だ。医療チームも引き上げ一段落したかに思える被災地だが、西田理事は「能登で生活する人々と、外の人の認識のズレは東日本大震災以上に大きい」と指摘する。   能登半島地震で亡くなった人は昨年末時点で504人だ。このうち災害医関連死は276人と、地震で亡くなった人の数より多い。高血圧やコレステロールの薬の服用をやめてしまった人が、自覚症状もなく急に脳卒中などで倒れ...  能登半島地震から間もなく1年が経とうとしていた24年11月、東京都医師会の尾﨑治夫会長ら幹部が、奥能登の被災地を訪ねた。東京にいると現地の状況がつかめない。加えて粘り強い気質もあり、支援を求める声も伝わってこない。なにか支援できないか。現地で話を聞きたいとの尾﨑会長らの思いで決まった。   尾﨑会長を駆り立てたのは被災直後から能登地方に通っている都医の西田伸一理事だ。医療チームも引き上げ一段落したかに思える被災地だが、西田理事は「能登で生活する人々と、外の人の認識のズレは東日本大震災以上に大きい」と指摘する。   能登半島地震で亡くなった人は昨年末時点で504人だ。このうち災害医関連死は276人と、地震で亡くなった人の数より多い。高血圧やコレステロールの薬の服用をやめてしまった人が、自覚症状もなく急に脳卒中などで倒れて

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