上昌広の日本医療の診立て
医師不足から目を逸らす厚労官僚
第53回 直美の規制では改善しない、 東日本に医学部新設を
医療ガバナンス研究所理事長
2025年2月1日号
日本の医療提供体制のあり方をめぐる議論が迷走している。厚生労働省は医師の偏在を問題視し、美容クリニックへの規制強化や、地方勤務への支援を打ち出した。しかし、これは見当違いだ。問題の本質は医師不足で、(臨床研修直後に美容医療業界に勤務する)直美を規制しようが、事態は改善しない。本稿で解説したい。
日本で医師が不足しているのは、養成数が極端に少ないからだ。日本の人口10万人あたりの医学部定員は7.3人(21年)。経済協力開発機構(OECD)加盟38ヵ国中、イスラエル(6.8人)、韓国(7.3人)に次いで少ない。トップのラトビア(27.6人)の4分の1だ。最近、韓国は、政府が主導するかたちで医学部定員を大幅に増員することを決めたため、早晩、日本は2番目に少ない国となる。
日本は、世界で最も高齢化が進んだ国だ。ところが、医師養成数が世界最低レ...
日本の医療提供体制のあり方をめぐる議論が迷走している。厚生労働省は医師の偏在を問題視し、美容クリニックへの規制強化や、地方勤務への支援を打ち出した。しかし、これは見当違いだ。問題の本質は医師不足で、(臨床研修直後に美容医療業界に勤務する)直美を規制しようが、事態は改善しない。本稿で解説したい。
日本で医師が不足しているのは、養成数が極端に少ないからだ。日本の人口10万人あたりの医学部定員は7.3人(21年)。経済協力開発機構(OECD)加盟38ヵ国中、イスラエル(6.8人)、韓国(7.3人)に次いで少ない。トップのラトビア(27.6人)の4分の1だ。最近、韓国は、政府が主導するかたちで医学部定員を大幅に増員することを決めたため、早晩、日本は2番目に少ない国となる。
日本は、世界で最も高齢化が進んだ国だ。ところが、医師養成数が世界最低レベル
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