看護学者から見た個別化医療とグローバリズム
医療への「不信」と「信頼」
第90回 患者と家族を「尊重」する医療の実現に向けて
大阪大学大学院医学系研究科/公益財団法人浅香山病院 山川みやえ
2025年2月1日号
医療現場では、患者や家族の意思が軽視され、医療者や病院側の都合が優先される場面が後を絶たない。この問題はとくに精神科医療で顕著だ。心のどこかで患者の意思決定支援を後回しにしてもいいと当たり前のように思っているところがある。一部の人だけで決めると人の精神を破壊しかねない。精神科が人の精神を破壊する、皮肉な話である。
こうした現状は、患者と家族を中心に据えた医療が十分に機能していないことを露呈しており、例えば、ベッドを早く空けたいから微妙な状態の人を、本人の意思を無視して、A地点からB地点に移動させる、ベッドの占有率を上げたいから、退院できる人を退院させないとか、などだ。本当に医療はどこを向いているのか。一度崩壊したほうが良いとさえ思える。それらが、医療全体への不信感を助長している。
一方で、医療が困っている人々の...
医療現場では、患者や家族の意思が軽視され、医療者や病院側の都合が優先される場面が後を絶たない。この問題はとくに精神科医療で顕著だ。心のどこかで患者の意思決定支援を後回しにしてもいいと当たり前のように思っているところがある。一部の人だけで決めると人の精神を破壊しかねない。精神科が人の精神を破壊する、皮肉な話である。
こうした現状は、患者と家族を中心に据えた医療が十分に機能していないことを露呈しており、例えば、ベッドを早く空けたいから微妙な状態の人を、本人の意思を無視して、A地点からB地点に移動させる、ベッドの占有率を上げたいから、退院できる人を退院させないとか、などだ。本当に医療はどこを向いているのか。一度崩壊したほうが良いとさえ思える。それらが、医療全体への不信感を助長している。
一方で、医療が困っている人々の真の
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