家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
遠隔転移へのイクスタンジ:1人3年生存改善に1億円超
第61回
黒澤 恵
2025年2月1日号
前立腺がん治療薬「イクスタンジ」(一般名:エンザルタミド)の売上げが伸びている。23年度には7500億円を超えた。20年の効能追加がジャンピングボードになったようだ。そこで今回は追加となった効能「遠隔転移を有する前立腺がん」に対する、同剤の費用対効果(コスパ)を考えたい。
根拠となったエビデンスはENZAMETと名付けられた無作為化試験である(①)。ホルモン感受性転移性前立腺がん1125人がテストステロン抑制療法のうえ、エンザルタミド群と非ステロイド性抗アンドロゲン薬(従来治療)群に無作為化された。主要評価項目は「生存」である。
その結果、3年生存率はエンザルタミド群で80%、標準治療群でも72%だった。治療必要者数(NNT)は「13」だ。つまり13人中12人はエンザルタミドを使っても使わなくても、3年生存の確率に差はなかった。逆に言えば、同薬...
前立腺がん治療薬「イクスタンジ」(一般名:エンザルタミド)の売上げが伸びている。23年度には7500億円を超えた。20年の効能追加がジャンピングボードになったようだ。そこで今回は追加となった効能「遠隔転移を有する前立腺がん」に対する、同剤の費用対効果(コスパ)を考えたい。
根拠となったエビデンスはENZAMETと名付けられた無作為化試験である(①)。ホルモン感受性転移性前立腺がん1125人がテストステロン抑制療法のうえ、エンザルタミド群と非ステロイド性抗アンドロゲン薬(従来治療)群に無作為化された。主要評価項目は「生存」である。
その結果、3年生存率はエンザルタミド群で80%、標準治療群でも72%だった。治療必要者数(NNT)は「13」だ。つまり13人中12人はエンザルタミドを使っても使わなくても、3年生存の確率に差はなかった。逆に言えば、同薬の
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