医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

働く脊損者<オッサン>

揺らぐ日本の農業、支える福祉の潜在力

第11回

株式会社グルメ杵屋 最高デジタル責任者 河上崇陽

2025年2月1日号

 24年、日本の米価格が過去10年で最高水準に達した。国際的な食料価格の高騰やインバウンド需要による需給の逼迫、さらに天候不順による米の品質低下などが主な原因だ。私が在籍する会社でも、丼物の原材料費が上昇しており、これに対応するための価格設定や仕入れの工夫が求められている。身近な米が高騰する事態は、食料安全保障の問題を改めて浮き彫りにしたと言える。  米の高騰の背景には、日本の農業が抱える構造的な問題がある。基幹的農業従事者の数は24年時点で約111万人、そのうち約8割が65歳以上だ。05年には約224万人いたことを考えると、20年で農業人口が半分以下に減少している。この現状は「消滅自治体」の懸念以上に深刻で、地方の農村では農業の担い手が急速に失われている。高齢の農業者が営農を続けているものの、次第に広い農地を耕せなくなり、引き継ぎ手のいない農...  24年、日本の米価格が過去10年で最高水準に達した。国際的な食料価格の高騰やインバウンド需要による需給の逼迫、さらに天候不順による米の品質低下などが主な原因だ。私が在籍する会社でも、丼物の原材料費が上昇しており、これに対応するための価格設定や仕入れの工夫が求められている。身近な米が高騰する事態は、食料安全保障の問題を改めて浮き彫りにしたと言える。  米の高騰の背景には、日本の農業が抱える構造的な問題がある。基幹的農業従事者の数は24年時点で約111万人、そのうち約8割が65歳以上だ。05年には約224万人いたことを考えると、20年で農業人口が半分以下に減少している。この現状は「消滅自治体」の懸念以上に深刻で、地方の農村では農業の担い手が急速に失われている。高齢の農業者が営農を続けているものの、次第に広い農地を耕せなくなり、引き継ぎ手のいない農地が

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence