読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
ハンセン病と戦うフロンティア
第259回
大西一幸
2025年2月15日号
小島の春
最初期のハンセン病医、魂の手記
小川正子
2024年12月刊/河出書房新社
6年ほど前に瀬戸内海の小さな島、志々島を訪ねたことがある。周囲4㎞もない島だが、大樹好きにはあまりにも有名な、樹齢1200年ともいわれる大楠を見に行った。大樹を訪ねる旅では3回目で、まだ初心者の頃。香川県三豊市の宮の下港からフェリーで20分ほどをかけて島に渡る。到着して売店の女性に訊くと、当時で人口は17人だった。往時は2000人近く住んでいたと教えてもらったが、公式サイトを見ると1000人だった。島のサイズに照らすと1000人でも多いように思えた。
港からすぐ近くの防潮堤沿いの西側に、小さな玩具のような小屋が立ち並んでいた。原色に近い色を塗られたものもあるが、かなり多くが朽ちていたり、土の中に沈みこみかけている。堤の向こう側...
小島の春
最初期のハンセン病医、魂の手記
小川正子
2024年12月刊/河出書房新社
6年ほど前に瀬戸内海の小さな島、志々島を訪ねたことがある。周囲4㎞もない島だが、大樹好きにはあまりにも有名な、樹齢1200年ともいわれる大楠を見に行った。大樹を訪ねる旅では3回目で、まだ初心者の頃。香川県三豊市の宮の下港からフェリーで20分ほどをかけて島に渡る。到着して売店の女性に訊くと、当時で人口は17人だった。往時は2000人近く住んでいたと教えてもらったが、公式サイトを見ると1000人だった。島のサイズに照らすと1000人でも多いように思えた。
港からすぐ近くの防潮堤沿いの西側に、小さな玩具のような小屋が立ち並んでいた。原色に近い色を塗られたものもあるが、かなり多くが朽ちていたり、土の中に沈みこみかけている。堤の向こう側の
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