医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

医師偏在是正を巡る議論を振り返る

第118回

ニッセイ基礎研究所上席研究員 三原 岳

2025年3月1日号

 複数の検討組織で同時並行的に進められた医師偏在是正の議論が一応の決着を見た。24年12月に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」が公表され、これを基に通常国会での法改正に加えて、関連事業の実施や診療報酬の見直し、都道府県向けガイドライン作成などが進む見通しだ。  この関係では、都道府県を中心に、奨学金返済を免除する代わりに地方勤務を義務付ける「地域枠」を活用した施策などが展開されていたが、武見敬三前厚生労働相の問題提起を契機に、検討が加速した。その際、武見氏が「国家による医師の割当」という「高めのボール」を投げ込んだことで、これまでとは異なる議論が展開された。それでも実効性に疑問が残るのだが、今号と次号で、昨年からの議論を振り返りつつ、今回の対策の論点や方向性を占うことにしたい。  今回の議論の始まりは昨年4...  複数の検討組織で同時並行的に進められた医師偏在是正の議論が一応の決着を見た。24年12月に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」が公表され、これを基に通常国会での法改正に加えて、関連事業の実施や診療報酬の見直し、都道府県向けガイドライン作成などが進む見通しだ。  この関係では、都道府県を中心に、奨学金返済を免除する代わりに地方勤務を義務付ける「地域枠」を活用した施策などが展開されていたが、武見敬三前厚生労働相の問題提起を契機に、検討が加速した。その際、武見氏が「国家による医師の割当」という「高めのボール」を投げ込んだことで、これまでとは異なる議論が展開された。それでも実効性に疑問が残るのだが、今号と次号で、昨年からの議論を振り返りつつ、今回の対策の論点や方向性を占うことにしたい。  今回の議論の始まりは昨年4月

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