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ケレンディア:安定したアジア人HFpEF へのコスパに疑問符

第63回

黒澤 恵

2025年3月1日号

 「ケレンディア」(フィネレノン)が日本で「左室駆出率40%以上」心不全(HFmr/pEF)に対する適応追加を申請した。承認されればサクビトリル・アンジオテンシン受容体阻害薬(ARNi)、SGLT2阻害薬に加え3つ目のHFmr/pEF治療薬となる。  根拠となったエビデンスは、昨年の欧州心臓病学会学術集会で報告された「FINEARTS - HF」だ(①)。SGLT2阻害薬はともかく、ARNiにはHFmr/pEF予後改善の直接的エビデンスがないことを考えると(連載35回)頼もしい限りだが、どれほどの治療効果が、いかほどのコストで期待できるのか。連載52回に続き、FINEARTS - HF試験を少し細かく見ていきたい。  本試験では、直近30日前までに利尿薬治療を要したHFmr/pEF患者6001人が無作為化され、二重盲検法で32ヵ月間(中央値)追跡された。  その結果、主要評価項目とされた「心...  「ケレンディア」(フィネレノン)が日本で「左室駆出率40%以上」心不全(HFmr/pEF)に対する適応追加を申請した。承認されればサクビトリル・アンジオテンシン受容体阻害薬(ARNi)、SGLT2阻害薬に加え3つ目のHFmr/pEF治療薬となる。  根拠となったエビデンスは、昨年の欧州心臓病学会学術集会で報告された「FINEARTS - HF」だ(①)。SGLT2阻害薬はともかく、ARNiにはHFmr/pEF予後改善の直接的エビデンスがないことを考えると(連載35回)頼もしい限りだが、どれほどの治療効果が、いかほどのコストで期待できるのか。連載52回に続き、FINEARTS - HF試験を少し細かく見ていきたい。  本試験では、直近30日前までに利尿薬治療を要したHFmr/pEF患者6001人が無作為化され、二重盲検法で32ヵ月間(中央値)追跡された。  その結果、主要評価項目とされた「心不

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