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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

軍事における革命「5つの波」④

第216回 目標指針がない自衛隊の救命施策

埼玉県国民保護協議会委員 照井資規

2025年3月15日号

 何かを決めなければ何事も始められない。陸上自衛隊の作戦術教育においても、達成可能な目標を設定し、そのための中間目標も設けることが徹底される。それにもかかわらず、戦傷病から自衛隊員を救命するための目標が不明確である。装備品と異なり、戦傷病者の救命には厳しい時間制限があるため、受傷や有毒化学剤などへの曝露時からの時間経過により、救命の可否を判断する目安や、後送の優先度に応じた時間区分を各国軍隊は設定している。  この目安は統計に基づくもので、必ずしも、これらの時間内に処置を行い、後送して治療すれば救命できるものではない。また、これらの制限時間を超過しても生存している戦傷病者もいるものだ。しかしながら、目安がないことには作戦計画を立てられない。  ドクトリンとは本来、国是、国防戦略を踏まえた作戦を実行するために必要な行...  何かを決めなければ何事も始められない。陸上自衛隊の作戦術教育においても、達成可能な目標を設定し、そのための中間目標も設けることが徹底される。それにもかかわらず、戦傷病から自衛隊員を救命するための目標が不明確である。装備品と異なり、戦傷病者の救命には厳しい時間制限があるため、受傷や有毒化学剤などへの曝露時からの時間経過により、救命の可否を判断する目安や、後送の優先度に応じた時間区分を各国軍隊は設定している。  この目安は統計に基づくもので、必ずしも、これらの時間内に処置を行い、後送して治療すれば救命できるものではない。また、これらの制限時間を超過しても生存している戦傷病者もいるものだ。しかしながら、目安がないことには作戦計画を立てられない。  ドクトリンとは本来、国是、国防戦略を踏まえた作戦を実行するために必要な行動指

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