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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

ゼップバウンド:体重は減るがCV系疾患抑制は確認されず

第65回

黒澤 恵

2025年4月1日号

「ゼップバウンド」(チルゼパチド)が薬価収載された。「ウゴービ」(セマグルチド)に次ぐ、肥満症治療薬である。ピーク時には年間300億円を超える売上げが予想されている。患者3割負担として、薬剤費だけで210億円が健康保険から支払われる計算だ。  それだけのコストを投入して、どれほどのベネフィットが回収できるのか。費用対効果(コスパ)を現状のエビデンスから推察しよう。  参照するのは「SURMOUNT│3」という無作為化試験である(①)。対象はBMI30以上、ないしはBMI27以上で高血圧か脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、心臓血管(CV)系疾患既往の少なくともいずれかを有する患者である。日本における同薬の適応患者よりも少しだけ、低リスクだろうか(最適使用推進ガイドライン)。  チルゼパチド12週間で減量に成功した579人が、生活習慣指導... 「ゼップバウンド」(チルゼパチド)が薬価収載された。「ウゴービ」(セマグルチド)に次ぐ、肥満症治療薬である。ピーク時には年間300億円を超える売上げが予想されている。患者3割負担として、薬剤費だけで210億円が健康保険から支払われる計算だ。  それだけのコストを投入して、どれほどのベネフィットが回収できるのか。費用対効果(コスパ)を現状のエビデンスから推察しよう。  参照するのは「SURMOUNT│3」という無作為化試験である(①)。対象はBMI30以上、ないしはBMI27以上で高血圧か脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、心臓血管(CV)系疾患既往の少なくともいずれかを有する患者である。日本における同薬の適応患者よりも少しだけ、低リスクだろうか(最適使用推進ガイドライン)。  チルゼパチド12週間で減量に成功した579人が、生活習慣指導を受

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