ドイツの首都・ベルリンのシュプレー川に浮かぶ「博物館島」はぜひ行ってみたい場所ですが、1日ではとても済まない規模です。そこのエジプト博物館の展覧会が今、江戸東京博物館で開催中の『国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話』です。日本初公開多数ですが、4月4日までやっているせいか、コロナ自粛のせいか、または目玉作品がイマイチないせいなのか、ゆったりと鑑賞できました。これまでいろんなエジプト関連の展覧会に足を運びましたが、初めて見る造形の遺物にまたも出会えてとてもよかったです。かの博物館は世界で最も有名な女性像のひとつとして知られる『ネフェルティティの胸像』を所蔵していますがもちろん、彼女は来ていません。でも、そっくりの別の胸像が来ているので、それをもっとアピールすればいいのにと思います。



 さて、大きな石像からミイラにつけるものまで、さまざまな大きさの展示物が来ています。小さいものは数センチの護符、最大は女性が埋葬された木棺の外棺で2m超え、しかも立ててあったので迫力がありました(内棺も手前に横たえられていました)。また薄っすらと彩色の残るスフィンクスの頭部や、とても長い死者の書など3000年前とか想像しようもない昔のものが、こうして実際に目にできるなんて本当によく残ったものだと思いました。さすが乾燥したエジプトならではです。



 頭部がいろんな生き物になっている数多の神様で、今回初めてみて驚いたのが、ハヤブサ頭のワニ。でも、一番衝撃的だったのがスカラベ(フンコロガシ)の原初の神様・プタハ。もはやホラー!ちょっと楳図かずおの漫画を連想してしまいました。



 今回のサブタイトルにあるように、古代エジプト人の神話や死生観をアニメで解説しているのが新鮮でした。エジプトの死後の世界観は多少知っていたつもりですが、さらにわかりやすく、彼らが世界の始まりをどう捉えていたのかも解説されていました。個人的にはアヌビス神の声と音声ガイドを担当していたのが、2.5次元で大人気の俳優・荒牧慶彦くんというのもよかったです。ちなみに音声ガイドはクイズ付きとなしの2種類なのですが、同料金だったので、迷わずクイズ付きにしました。6問中1問はずしてしまいましたがおもしろかったです。


 係員には1時間くらいでまわれると言われましたが、2時間かかりました。なので、追加料金200円払って、常設展エリアに行く気力も体力も残っていませんでした。次回は常設展だけを見に来なくては。フラッシュをたかなければ、アニメ以外写真撮影もOKです。


 そして次に「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展〜美しき棺のメッセージ」が4月16日からBunkamuraミュージアムで開催されるというのを知り、また違うアプローチみたいなので楽しみです。