最新のテクノロジーが街にあふれ、それがアートとは考えていなかったことに気づかされる展示が最近目につくようになりました。これまでも期間限定の『LOUIS VUITTON &』などで楽しむことができましたが、ついに美術館で開催されたのが『ライゾマティクス_マルティプレックス』(会期終了)。
〝技術と表現の新しい可能性を追求」している〟rhizomatiksが設立15周年記念で、アートとテクノロジーを駆使した事象の作品群の初めての大規模展をとして東京都現代美術館で開催され、ライゾマティクスが何なのかすら知りませんでしたがとても面白く、技術と表現のつながりが様々な分野で展開している今を垣間見ることができました。
映像作品や光るマスク、2011年に国内外で多くの章を取ったという「particles」はアップデートされ、暗闇の中でレールを転がるボールに照射される光の点滅は音もリンクさせた空間表現で、映像プロジェクションや動くロボティクスとともに構成したインスタレーション作品「Rhizomatiks × ELEVENPLAY "multiplex"」にダンサーの動きをモーションデータ化させた映像世界は不思議で目が離せないものでした。
技術で社会の様々な問題に取り組むものがアートという観点でも見ることができるのだということも知りました。それらの仕組みを理解するのは正直難しいですが、単純に観たり体感して驚いたりと楽しめるところがアートなのでしょう。
もうひとつ、六本木の東京シティビューで開催されていたMedia Ambition Tokyo[MAT]2021(2019年から毎年開催)では、「サイバー和菓子」と名付けられた気象データをもとに3Dプリンターで生成された食べられる和菓子なんていうのまでありました。ただし、その会場でさらに楽しむのにアプリからアクセスしなければならないとか、事前予約しておかないと体験できないなど私には結構ハードルが高く、全部参加できなかったのがちょっと悔しかったです。
これらの作品の中には会場に行けずともネットで公開されている映像もいくつもありますが、やはりそこで実際体験できるのが面白いです。
ちょうど今、COREDO室町テラスで開催中のOLYMPIC AGORAのひとつ『CONTEMPORARY ART@OLYMPIC』(8/15まで)で、画面の前で立つことで映像が変化する作品が展示されていますし、GINZA 456&チームラボの『捕まえて集める境界のない群蝶』(無料・日時予約制、8/22まで)というポケモンGOのようなゲームを楽しめるイベントもあります。スマホを持っていなくても最新機種を貸してもらえます。予めアプリをダウンロードしておけば、捕まえた蝶をあとでじっくり見ることができます。こういうイベントがどんどん増えるのはうれしいです。