2019年10月下旬〜11月上旬の11日間に「日本博」と銘打ったイベントのひとつに「日本橋の重要文化財めぐり」という予約・定員制の無料ガイドツアーというのがあったので友人と参加してみました。



 主催者側は外国人観光客に多く参加してもらうつもりで、英語・中国語も用意していたようですが、私が参加した回は全員日本人でした。


 さて、普段ランチや映画に行っている界隈ですが、ガイドしてもらうとずいぶん印象が変わります。多少は知っていたこともありましたが、ちゃんと建物の成り立ちやエピソードを聞けて、とても面白かったです。このツアーで各自に配られた専用のイヤホンガイド機は、ガイドさんにぴったりくっついていなくても十分話が聞ける優れものでした。



 集合場所の日本橋案内所からまず地上へ出て、目の前の三井本館の説明から始まり、日本銀行、三越本店、日本橋、そして日本橋高島屋までの約2時間のコースでした。



 デパート以外は外からの解説です。日本銀行は3年ほどかけた免震工事が終わって囲いがなくなり、全体がよく見えました。何でもラップルコンクリートの上に石積煉瓦造にしたの建物で、完成後にあった関東大震災にも耐えたのを、さらに強化するために建物の下に免震装置を入れたそうです。この重厚な設計は辰野金吾と弟子の長野宇平治によるもので、最近はドラマの影響で内部の見学会に予約殺到だそうですが、以前 SNSで知り合ったグループの人がガイドをやっているということで参加したことがあります。金庫の扉の厚さに思わず閉じ込められたら怖いなと、あり得ない状況を想像した覚えがあります。確か、お土産にシュレッダーされた1万円札をもらいました。



 さて、日本橋の重要文化財めぐりに戻ります。三越の正面入口が真ん中ではないのは増築されたからだとか、高島屋も奥へどんどん増築していく過程で、当時の関係者の意見が合わず、まとめるのが大変だったなどのエピソードが聞けました。内部の階段の大理石にあるアンモナイトの化石は有名ですが、それだけ見にうろつく勇気がなかったので、今回じっくり観察できてよかったです。この2つのデパートでは毎月一日だけ店内見学ツアー(無料)があるそうなので、それもいつか参加してみたいです。



 そして日本橋についてのウンチクは、これまでいろいろ聞いていますが「装飾の獅子は32頭いる」というのは初耳でした。オリンピックが終わったら、ついにこの橋の上の邪魔な高速道路を地下化する工事が始まるそうなので、完成する2040年にぜひその風景を見てみたいものです。