日本の南北のそれぞれに生活している民族について学校で詳しく習った覚えがありませんが、アイヌについては以前読んだ『イザベラ・バードの日本紀行』にあったその内容にけっこう衝撃を受けました。でも、近年縄文人研究で注目されているこの北方に生きる人々やこれまでの生活についてはよくある歴史紀行の番組のように紹介されることがほとんどないので、まるで知らない外国のようなイメージです。
最近知ったのは、大学が保管するアイヌ遺骨の返還についての問題でそんなことがあるのかと驚いたこと、あとはウポポイ(民族共生象徴空間ウアイヌコㇿ コタン)が北海道にできたということくらいです。
ウポポイのCMで踊っている人々が着ていたのが、これぞアイヌという紋様の衣装でした。8月まで開催されていた松濤美術館の『アイヌの装いとハレの日の着物―国立アイヌ民族博物館の開館によせて』はその衣装を中心にした展覧会でした。会場ではこの独特の文様をアイヌ民族伝統の織物作りを研究、製作している様子を映像で観ることができたのがよかったです。独特の模様、あのちょっとトゲのように角に伸びているのは魔除けの意味があるそうで、単に美しいというだけではないのがわかりました。そういえば、東京国立博物館の常設展示室にも少しだけアイヌ関係の展示がありました。
10/15〜10/20(緊急事態宣言で10月に延期)に有楽町朝日ホールのギャラリーで『アイヌ工芸作品コンテスト作品展 2021』(無料)という展示があるので、見に行こうかなと思います。
あと北海道といえば熊の置物と連想してしまいますが、東京ステーションギャラリーで『木彫り熊の申し子 藤戸竹喜−アイヌであればこそ』(9/26まで)が開催中です。藤戸竹喜はアイヌ民族として生きている彫り師だそうです。
『ゴールデンカムイ』を読めばもっと知識が増えそうですが、すでに22巻も出ているのでちょっと手を出しにくいです。
自分が興味のアンテナを伸ばしていなかったからでしょうが情報が少なく、北海道にもなかなか行けないので、2年前の「永遠のニㇱパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」のようなドラマや紀行番組、展覧会でもっと日本の先住民について知る機会が増えるといいのですが。
いつかウポポイのCMに流れる呪文のような歌に合わせた不思議な踊りを見に行けたらいいなと思います。