東京駅の丸の内側にあるKITTEもお気に入りの場所のひとつです。旧東京中央郵便局の局舎は、取り立てて豪華でもない目立たないどちらかというと無骨なビルですが、再開発で新しく建て替えることになったとき、ずいぶん反対の声があがりました。そして、どんどん重機で削られていた段階で、「重要文化財に値するものを壊すとは」と当時の総務大臣のツルの一声でいきなり取り壊しが止められたのには驚きました。その後、紆余曲折があったようで、現在の一部残したかたちのビルになりました。



 さて、その曰くある建物は、もちろん郵便局が1階の広い面積を占めていますが、そこは当時の部分なので天井が高い開放的な空間になっています。正面入口から右側が郵便局ですが、まっすぐ入ると吹き抜けの空間があり、上は回廊になっていて、いろいろな店が入っています。でもいつも立ち寄るのは店ではありません。


 まずひとつが4階の旧中央郵便局長室です。当時の机と椅子に棚が置かれ、昭和初期の雰囲気があります。さらにベンチやテーブルに椅子もあって、ここで自由に休むことができます。ただし、飲食は禁止。大きな窓からは東京駅が目の前に見えます。そしてもうひとつが「JPタワー学術文化総合ミュージアム・インターメディアテク」です。(名称長過ぎ)ここは東大研究所博物館だそうで、郵便局の上に位置し、やはり時代がかった雰囲気です。昔の大学の教室まで一部再現(ここだけ撮影可)され、古い標本棚が並ぶ室内はちょっとタイムスリップ感を楽しめます。それに標本が多岐にわたっているうえ、入れ替えやテーマのある展示もされるので、何度行ってもワクワクします。また2階の奥にある古風なソファに座るとどこかの館に来ている気分が味わえます。3階にはミュージアムショップもあります。標本は骨や剥製ばかりではなく、鉱物や貝などのきれいなものなど、興味深いものがたくさんあるのに無料というのがうれしいし、大抵空いているのがいいです。



 天気がいい日は屋上のテラスも気持ちがいいです。



 おまけ情報として、関係者以外入れない1階のオフィスサイドですが、入口から奥のロビーにある千住博の『ウォーターホール』を見ることができます。