亡くなって30年程経っているのにいまだに繰り返し作品が上映・放映される女優オードリー・ヘプバーン。


 今、その彼女のドキュメンタリー『オードリー・ヘプバーン』が公開中です。



 今回の映画で彼女の私生活とか初めて知りましたが、マリリン・モンローとかエリザベス・テーラーなどのハリウッド女優とはまったく異なるオーラを放っている気がします。


 映画の役で着たファッションが注目され、公開当時よく雑誌に取りあげられていたようですが、今でも流行は繰り返されるものなのでたびたび参考にされています。彼女の姿が素敵で、これだけ時間が経っても色褪せずに写るからでしょう。


 日比谷の映画館近くの帝国ホテルプラザ東京で『オードリー・ヘプバーン』写真展(5/31まで)も開催されていて、これはまあパネル展という程度でロビーや廊下の片隅に数点展示されているだけでしたが、映画でチラッとしか見れなかった姿をじっくり見ることができました。彼女の写真展は今年に限ったことではなく、毎年のようにどこかであるようです。


 また来月には二子玉川で「オードリー・ヘプバーン映画祭2022」(6/10〜6/12)と銘打った映画上映と関連イベントがあります。


 そういえば先日テレビで新規に吹き替えをした『ローマの休日』が放映されましたが、改めて観ると今ではありえない展開ながらおもしろかったです。ローマに行ったときすでに禁止されていて、あの階段でアイスクリームを食べることはできなかったのを思い出しました。


 ところで、白黒映画だったので、何となくかなり古い作品だと思っていました。公開されたのは1953年で、制作された当時すでにカラー映画が普及していたのになぜモノクロだったのかは、2015年の『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観たとき、この映画に関するさまざまなことと一緒に解明されて、なるほどと思ったのを思い出しました。



 あの頃アメリカを覆っていたマッカーシズムにより、赤狩りの対象となってアメリカ映画界から追放されたこの映画の脚本家トロンボがこの作品を生み出したわけですが、普及の名作の裏側とオードリーの生い立ちに深く関わった戦争という大きな時代の出来事が絡んでいるのだなと改めて考えさせられました。


 映画の裏側を知ると逆境を切り進んでいった人たちがいたのがよくわかりました。でも、そんな目に合ってしまう出来事はやはり起こってほしくないものです。