久しぶりの東京都写真美術館。JR恵比寿駅から何本かの動く歩道(正式名称は恵比寿スカイウォーク)を乗り継いだ先のYEBISU GARDEN PLACEの一角にあります。シャトーレストラン ジョエルロブションに行き着く中央アーケードではなく、右の線路寄りのエリアです。高い天井の通路の片側に写真家の名前は知らずとも一度は目にしたことがあろう作品がドーンとあって、それを見ながら進んだ先にこじんまりとした入口があります。いくつかの展示室の他に図書室やホールなどあり、写真・映像関連の作品を堪能できる施設です。


 今回は『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』(〜9/24)を観ようと思って行ってきました。



 このロベール・ドアノーは通路にあった『パリ市庁舎前のキス』という作品が有名で、以前渋谷で『写真家ドアノー/音楽/パリ展』を観たのですが、タイトルにある〝本橋成一〟という知らない写真家と並べられていたのが、どういうことなのか気になっていたからです。


 年齢も生まれた国も違う2人ですが奇しくも同じテーマの作品を撮っていたことが発端だったようです。ここまで似通った視点で撮られたこの2人の作品に着目するなんて、学芸員さんは本当に素晴らしい企画力をお持ちですね。


 この美術館では同時に別の展示会もあるのですが、その日のうちにいくつか観るなら割引チケットを買うこともできます。でも全部回りたいなら、途中休憩できるカフェもありましたが、時間と体力を考慮した方がいいです。


 ということで、今回はもうひとつちょっと気になる展示の『TOPコレクション 何が見える?「覗き見る」まなざしの系譜』(〜10/15)も観てきました。


 ちょっと意味深なタイトルですが、映像・写真の歴史がよくわかるし、タイムスリップして当時の人が興味を持っていたことを体験できて楽しかったです。



 ピープショーというのをご存知ですか?少し前に気になって何とか自作してみたいと思っていたのですが、ここにいろいろな実物があって参考になりました。写真が立体に見える装置も手にして見ることができましたし、フェルメールが使っていたのではないかと言われているカメラ・オブスクラというのも、係の人の協力で体験できたのもよかったです。


 今回さすがに入らなかったのですが、『風景論以後』(〜11/5)というのも展示していました。たぶんここは混むことはないと思うので、散歩がてら寄ってみるのもいいかもしれません。


 11/11から『東京工芸大学 創立100周年記念展「写真から100年」』が開催されます。