いよいよ今年もあとわずか。いつの間にか街にはクリスマスのイルミネーションがあちこちの出現しています。12月になっても変に暖かい気候だったので、周りの変化で季節の変化を知るようなことになるとは思いませんでした。


 クリスマス近くなるとどこでも関連イベントが始まって、週末に街が人々で溢れかえるようになったのをみるとさすがに終息はしていないですが、コロナの影もほとんどなくなったのだなと思います。


 うかうかしていると終了してしまう展示があったのを思い出して乃木坂の国立新美術館へ友人を誘って行ってきました。お目当ては『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』(〜12/25、金・土曜日は20:00まで)



 フライヤーにあった絵柄に惹かれてチェックしていたのですが、実際その巨大なインスタレーションを前にすると、ただ静かに(最初にすごいとは口にしてしまいますが)眺めて、なんだか心が落ち着くようなゆったりとした気持ちになれました。最初の空間の中央に白く光るそれは〈Gravity and Grace〉シリーズの最新バージョンだそうです。この大きなツボの中にある電灯のついた多面体が少しづつ降りてきています。中から発する光が生み出す影が動くのを囲むように集う人たちがシルエットになって、ちょっと離れて見ると一瞬『未知との遭遇』の1シーンを想起しました。その光景全体がひとつの作品のような気もしてしまいました。


 もうひとつ強い印象を受けたのは《Liminal Air Space—Time 真空のゆらぎ》で、これも巨大ですがまったく違うまた別の静けさがあり、皆座り込んだりしてしばらく動かず魅入ってしまう作品でした。12/21と12/25に振付家/ダンサーによる展示空間でのパフォーマンスもあるようです。


 ちょっと穏やかな気持ちになってから、徒歩5分ほどのミッドタウン六本木へ行くと中も通りも人々が多く賑わっていました。大通りの木々が光り輝いていているし、「Gold Trees」や「光の散歩道」などといったイルミネーションでクリスマス気分を楽しめます。『大巻伸嗣展』はじめ、これらはすべて無料公開なので、思わずワクワクして何かおいしいものや少しいつもより高いものを選ぶことになるかもしれません。