伝統的な文化に触れる機会があり、先日初めて国立能楽堂へ行ってネオ狂言『PORCINI「ポルチーニ」』という新作狂言を鑑賞してきました。古典狂言『茸(くさびら)』の後に狂言×赤塚不二夫×イタリア仮面劇から創り出された新作はセリフもほとんど古典的なのに子どもたちも楽しめるものになっていました。狂言は基本2人でと思い込んでいましたが、これにはきのこがたくさん登場するので舞台が賑やかでした。たまにはこういうのもいいものです。



 ということで、日本文化を楽しむことができるのがお正月。都内でもいろいろありますが、ひとつおすすめなのが入場料がかかるので多少は人混みが避けられそうな東京国立博物館の『博物館に初もうで 謹賀辰年―年の初めの龍づくし―』です。


 毎年、国立博物館収蔵の品の中から干支をテーマにした作品を集めた展示がされます。24年は辰。龍は十二支の中で唯一架空の生き物ですが、ここにはたくさん生息しているのでうってつけです。また吉祥作品として博物館が所蔵している国宝や重要文化財など一度は観ておいたほうがいい名品が展示されます。長谷川等伯の国宝『松林図屛風』(安土桃山時代)など特別展以外では劣化を防ぐため長い期間の展示が難しい作品も混雑を気にすることなく鑑賞できます。


 特別展目的で訪れても時間的、体力的に常設展を回るのが難しいですが、こういうときにゆっくり見て回れます。いくつも建物があり、展示スペースは広いし、膨大な点数なので案内図を見ながら気になる展示室に足を運ぶか、端から順に行けるところまで挑戦するか、また実物の埴輪の大きさに驚くのもいいし、刀剣や武具を堪能するもよし、いろいろなルートで楽しめます。私のお気に入りは「根付 高円宮コレクション」の部屋。海外作家の作品も並んでいて現代根付はユニークで何度見ても楽しめます。それにこの建物自体も見どころがあって、正面の大階段は多くの映画やドラマに登場しているのでそれを思い出して脳内再生するこというマニアックな過ごし方もできます。


 本館以外に法隆寺宝物館は今体験型展示スペース(〜1/28)で「デジタル法隆寺宝物館」を体験できるし、東洋館の地下には別料金ですがミュージアムシアターでVR作品が楽しめます。


 そして、雨でなければ1/2、1/3に和太鼓や獅子舞などが本館前の広場で披露されます。そういえばコロナ前はカレンダーの配布がありましたが、今回は復活しているのでしょうか?


 入場料は1000円で満18歳未満と満70歳以上、障がい者と介護者各1名 無料です。


 以前紹介した東京国立博物館の隣の黒田記念館も公開(1/2〜1/14)されています。