最近は多くのアニメ作品の展示会もよくあります。そのひとつ、ほぼ観ていないですがちょっと気になったので思い切って行って来たのが、JR西荻窪駅から徒歩16分という住宅街の先にある東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアムでの企画展『TVアニメ「SPY×FAMILY」』(〜3/31)。映画が公開されて大人気らしいですが、さすがにここは空いていました。パネル展示がメインでそれほど凝ってはいないので仕方ないですね。



 さて、アニメーションミュージアムは昭和にタイムスリップした感の味わえる杉並会館に併設されたこじんまりとした施設でしたが、日本のアニメの歴史が一目でわかるとても興味深い展示がありました。ほかにもアニメの制作工程を体験できたり、アニメ作品を閲覧できる部屋もありました。またシアターもあって、今は「SPY×FAMILY」のプロモーション映像や1930〜40年代のアメリカの人気キャラクターのバックスバニーなどの映像を公開しています。いろんなワークショップも開催されているそうで、近所だったら通いたいですね。


 もうひとつ、かなりガチなファンである友人に誘われたアニメの展覧会を紹介します。上野・松坂屋で開催されている『CHROMESTHESIA SCOPE(クロメスタジア スコープ)』(〜3/6)。たぶん知る人ぞ知るオリジナルTVアニメーション作品「PSYCHO-PASSサイコパス」放送10周年を記念するもので、平日の夕方でしたがなかなかの盛況ぶりでした。



 実は去年予習として、これを観てと1話を友人の細かい解説つきで鑑賞、その後最新映画版も座席が動いたり、風が吹き付ける仕様の上映会に付き合ったので何となく世界観がわかったうえで行ったのですが、ガチ勢ですら1回観たくらいでは把握できない複雑な人物やストーリーで、会場に来ていたファンたちも前の話を忘れていたりするから、結局観直してから最新を観るなんていう会話をしているくらいです。しかもこの10年の間にTVアニメ、小説、映画と公開された物語が年代順ではないのもあって、SNSに溢れる考察をさらに読み込んでいかないとならないかなりマニアックな作品です。


 でもそれだけ熱心なファンが大勢いるからこそこんな展覧会が開催されたわけですね。それにしても〝2031年に厚生省主導により「職業適性考査」が義務づけられた世界から始まる近未来社会〟を描いた二次元作品なのに主要人物の衣装や実物大のシステムなどもありましたし、作品世界と同様に入場時に人間の心理状態を数値化する色相チェックを受け、出口でまたその数値や色相が変化したのを確認するという体験は結構楽しめました。特典付きチケットを購入した人は実物のようなドミネーターという銃を体験できます。でも、さすがに全作品にこれから挑む気力はないですね。