最近復元された西洋建築が豪徳寺にあるのをご存知ですか?


 以前はお茶の水や飯田橋の住宅地あたりで結構和洋折衷の個人宅を見かけることがありましたが、今はほとんどなくなりました。側から見てお洒落だなと思っても実際住むにはあまり快適でないということもあるでしょうし、元の姿を壊さずに修理し続けるより、建て替えたほうが経済的にもいいということかもしれません。ましてや特に謂れのある建築物でなければ、消えていくのは仕方ないことです。


 でもこの明治21年からある水色の洋館、旧尾崎テオドラ邸は奇跡的に取り壊し直前で待ったがかかり、先日一般公開されました。


 旧尾崎邸を救ったのは近隣住人の声を受けてマンガ家・山下和美が中心になって始めた保存運動で、一般社団法人 旧尾崎邸保存プロジェクト(代表:山下和美・笹生那実)を設立して、両代表のほぼ全財産をつぎ込んだそうです。その顛末は 山下和美・著『世田谷イチ古い洋館の家主になる』になっています。



 政治家・尾崎行雄の妻になった尾崎テオドラ英子という人が住んでいて、元は別の場所に建っていたのを後に住んだ人がここに移築したという経緯があるそうです。解説にも特に有名な建築家が関わっていたわけでもないようで、明治時代に多く建てられていたであろうこのような洋館が、よくこれまで残っていたものです。


 旧尾崎テオドラ邸のことを知って公開を楽しみにしていたのですが、この豪徳寺というところは未知の場所で、しかも昔話題になっていたマンガ『Let's豪徳寺!』に引きずられて何かとんでもなくおしゃれな街に違いないと思い込んでいました。


 誘った友人も同様で2人とも実は読んだこともないのにイメージだけで駅に降り立ちました。で、予想とは裏腹に静かなさすが世田谷という感じの住宅街でした。ちなみに検索してみたら、マンガは地名でなく苗字から取ったものでした。


 さて、話を戻して、オープニングイベントとして今はチャリティーオークション展(〜3/12)が開催されていますが、日時指定をしないといけません。喫茶室もあるのですが、そこも予約制だったので入ることができなかったのはちょっと残念。予約時間に間があったので、目の前の豪徳寺でも散策しようと思ったのですが、ちょうど反対側に正門があり、裏からは入れないのでその400mに阻まれ、有名な招き猫の山を見ることができませんでした。


 3/15からは『三原順の空想と絵本展』です。