まだ東京に慣れていない頃、小学校以来の友人となぜ行ったのか全然覚えていませんが、四谷を散策したことがあります。国鉄(!)四谷駅で下車して、多分最初は上智大学あたりをめざしてウロウロしていて、気がついたらいきなり「ここは外国か⁉」という風景が目の前に現れました。何しろ『ベルサイユのばら』を読み回していた仲なので、ここはベルサイユ宮殿かと2人して驚いた記憶があります。白く高い柵のはるか先に大きな西洋館があるなんて、いったい自分たちはどこにきたのだろうとワクワクするような気分で眺めましたが、それが迎賓館赤坂離宮でした。



 当時、一般人が敷地内に入れるのは年に1度抽選で選ばれた場合だけだったと思いますが、いつか入って見たかったところでした。それが近年の大規模な改修工事後、2012年11月の3日間だけ前庭が無料公開され、かつて初めて見た友人と1時間くらい並んでついに入ることができました。その後2016年から有料で一般公開されています。室内は撮影禁止ですが、庭や外観は自由に撮影できるのでかなり外国旅行気分を味わえます。



 2017年に私が訪れたときは、ちょうど藤田嗣治の作品も特別に展示されていてお得でした。もちろん壁や天井は当時の芸術家や職人の素晴らしい作品で埋め尽くされています。


 この建物はパッと見にはいかにも西洋式ですが、ジョサイア・コンドルの直弟子の片山東熊が設計したそうなので、日本的な意匠があちこちに施されているのが面白いです。例えば建物正面の屋根にある左右の尖った部分は武者を象っています。これは室内にも同様のものがありますし、「花鳥の間」の日本画的な七宝焼きの壁飾りもきれいです。桜をモチーフにした緞通のある「朝日の間」の天井画はフランス人画家によるもの素晴らしいです。和洋が渾然一体で、ちょっと派手ですが見応えがあります。各部屋にはガイドがいて説明してくれますし、音声ガイド機も有料で借りることができます。



 前庭は公開時間内なら無料で入れるようです。確か流れで行くと後庭も見れた気がします。そこにある噴水越しに迎賓館を見ると、ますます旅行気分になれます。



 予約制の和風別館にもいつか入って見たいものです。