GWの上野動物園は入場するところから大変ということでしたが、東京駅から外に出て陽射しを浴びることもなく行ける東京ステーションギャラリーで『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』(〜6/23)のかわいい動物に会うことができます。



 会場に入ってすぐに大森貝塚を発掘したことで知られているエドワード・S・モースが日本人の動物への接し方が欧米とは違うことに驚いたと書かれていました。


 動物に対しての考え方の東洋との違いは、ベネディクト・カンバーバッチが演じる『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(2021年)でわかったのですが、宗教が深く絡んでいているのですね。神の使いという概念はあるようですが、悪魔の使徒という立場の動物としてつい最近までヨーロッパでネコは忌み嫌われていたため、ペットという概念からしてなかったそうです。だからその時代に日本を訪れた西洋人からしたら、確かに日本は別世界だったでしょう。とくに擬人化され浮世絵の題材で多く描かれるくらいですから猫好きは多かったようです。またモースたちは動物にお馬さんなどと〝さん〟を付けて呼ぶのにも驚いたそうです。私は彼が米国の動物学者だったことにちょっとびっくりしました。考古学者だとばかり思っていたので。


 ここのところ大挙して海外からくる人々はこれだけハイテクなものが溢れているのに1000年前からの建築物があったり、温泉に入る猿、公園の店にある煎餅を勝手に食べずに購入した人に群がる鹿がいる日本は、たぶん半分ファンタジーな国だと思われているのかもしれません。でも側から見ていればかわいいですが、最近は民家のあるエリアに出没する熊や猪、逃げたり捨てられて増える動物たちと人との攻防戦があちこちで起こるようになって来るとそうとも言っていられません。うまく棲み分けできるのが理想ですが…。


 そんな日本では昔から動物が近くにいて、それを愛でてきたのがよくわかる今回の展覧会。浮世絵などの紙媒体だけでなく、あらゆる形で日本の暮らしの中にいる動物との関わり方が時代の変遷とともにわかるのも面白かったです。文明開化で人力車から鉄道馬車になっていかに多くの馬が街中にいたか、そして捨て猫ではなく捨て馬問題が発生していたとか違う視点で絵を鑑賞できたのもよかったです。戦中はウサギで儲けたという話も聞いたことがありますが、時代によって人と動物の関わりはずいぶん違ってくるものなのですね。


 ここでちょっとお得情報。旧新橋停車場 鉄道歴史展示室のパンフレットにスタンプを押したものを提示すると100円引きになります。また時間があれば、隣のKITTEのインターメディアテクで『特別展示『都市―ヱドキリエズ』(〜6/2)で江戸と東京を地図で考察できる展示が楽しめます。