出歩くのは割と昔から好きでした。高校を卒業して都内の学校に通うようになって、学校のあるお茶の水界隈、そして友人たちとあちこち遊びに行くようになって行動範囲が広くなったのですが、やはり好きなことに関連していました。
好きな映画を安く観るには学生割引だけではなく、当時多かった2本立ての名画座とハガキで試写会を当てて、あちこちの映画館や試写会の会場になったホールへ行きました。意外に都内在住の友人たちのほうがあまり知らない場所があるのを知って、田舎者のほうが知りたがりなのかもしれないなと思いました。
趣味で知り合った人たちと集会やらイベントで楽しい時間を共有するためにあちこちに出向きましたが、だんだんちょっと気になるなという程度ではスルーしてしまうこともありました。
あるとき、行きそびれた展覧会を周りの人たちがしきりによかったというのを聞いて、なぜ行かなかったのかと後悔しました。映画ならどこかで観る機会はあっても展覧会は終わってしまったら巡回のあるもの以外体験できないし、映画にしても今でこそネットで探し出せる可能性はありますが、見逃してしまうことがあります。特にマイナーな映画に再度巡り合うのは難しいし、展覧会同様この1年はとにかく気になったら行く!と決めたことがあります。その強化年間もあとひと月ほどという日曜日の映画の日にはしごをしようと小雨降るなかインドのミステリー映画を渋谷で、そしてたまたま手にしたフライヤーで知った見知らぬイケメンが出演する映画を、やはり気になっていたけど行ったことのない池袋の映画館へ行ったことでまた世界が広がりました。
2本目の『お江戸のキャンディー』の監督が広田レオナで、このマニアックな作品が突き刺さり、その後下北沢の小さな映画館であったイベント付き上映に通い、広田レオナさんとSNSでつながることになるとは。彼女は思っていたよりずっと気さくでした。ある日上映のあと都合のつく観客たちと近くの店で飲み会まで設定してくれて、和気あいあいとおしゃべりもしました。芸能人といえども会社の社長で子どもの親であり、常識ある大人なのだと改めて思いました。当たり前ですがどんな仕事のどんな立場でも人としてきちんとしていないといけないのですね。派手な世界の裏での苦労や業界の話を聞かせてもらい、とても楽しいひとときでした。
当時からしたら、SNSで有名人と直接コンタクトをとることも割と簡単にできてしまう世になりましたが、面識ができるまでになるとは、世の中何があるかわからないものです。
好きを満喫するために頑張ってさまざまなアプリを入手し、まったくわからないことを調べまくって情報を得ることでまた新しい出会いや感情に巡り合えたので、これからもとにかく健康を維持して歩き回って行こうと思います。