このSTAY HOMEの間、普段より一層テレビの前から離れられなくなっていますが、新作ドラマは途中まで、古いドラマもさまざまな制約により即全編再放映とはいかないなか、「JIN―仁―」を再編集とはいえ、3週連続6日間で約18時間放映というのは見応えがあっておもしろかったです。以前観ていましたが忘れているところもあったし、やはり内容に〝コロリ〟に立ち向かうというのがあったのが気になるところでした。


 このドラマ絡みで話題になった2014年の『特別展 医は仁術』は、江戸時代のリアルな医術にまつわる文献や道具から現代までの技術を紹介していて、実に興味深いものでした。2018年のNHKスペシャルに合わせた『特別展 人体―神秘への挑戦』は海外の医学・解剖学を中心にした展示で、今どきのデジタルAIを使うコーナーがあって参加できる楽しさもあり、とても混んでいました。ここでは〝キンストレーキ〟というオランダ製の人造死体の展示がありました。実はこれより前に大好評で何度か開催された『人体の不思議』展覧会があり、そこに観客が押し寄せた注目の展示物が〝人体標本〟でした。この「本物」というのが、どうしても怖くて行くことはできませんでしたが、のちに問題になったようですね。



 でもミイラはギリ大丈夫なので、去年から今年にかけての『特別展 ミイラ 「永遠の命」を求めて』には友人と行きました。これには「ミニオン」とのコラボグッズがあったのも行くキッカケの大きな要因でした。訪れた日は思いの外子どもが多く、彼らはまったく怖がることなく〝干し首〟ですら、むしろ食い入るように見ていましたが、さすがに私はチラッとしか見られませんでした。医術というアプローチではありませんが、人類の死に対して残された人々の考えなどを少し知ることができる気がしました。


 2009年の『医術と芸術展:生命と愛の未来を知る』はそれまでになかったアプローチで、かなり刺激的でした。最も印象的なのはヴァルター・シェルスの「ライフ・ビフォア・デス」という写真の連作作品です。写真という2次元で生と死がこうも現わせるのかと思いました。恐ろしいのに何か惹かれてしまい、ちょっと動けなかったです。


 絵や彫刻というのとはまた違ったこういう展示もとてもおもしろいものです。このコロナ禍を越えたら『パンデミックを克服した人類展』というような展覧会を観てたいものです。