パンデミックを扱った作品はこれまでいくつか観たのですが、最近は1980年の『VIRUS 復活の日』小松左京原作の映画がちょっと話題になっていると聞きました。公開時、主演が草刈正雄ということで、内容は気にせず観に行きましたが、よく見たらタイトルに「VIRUS」とあって、まさにそれが主題でした。すっかり忘れていたあらすじを読み返すとほぼ絶望的な展開からラストにこのタイトルの意味がわかるわけですが、当然、近未来のSF映画の一種だと思っていました。


 もうひとつ、日本が舞台でもう少し現実的な設定だったのが2009年の『感染列島』です。これがまさか身近な状況になるとは思ってもいませんでした。この作品では、医療現場で一気に広がっていき、医療崩壊になりそうな様子が描かれていました。確か咳き込んだ人の飛沫から別の人に拡散されていく描写で、人々にどのようにウイルスが感染していくのかよくわかりました。このとき「これは防ぎようがないな」と思いましたが、この目に見えないウイルスは本当に厄介な存在だと知ることができました。完璧ではありませんが、やはりマスクや手洗いは有効ですね。



 そして2011年に公開された『コンテイジョン』は予言的と今言われている内容です。これはキャストがとても豪華で公開時、絶対映画館で観なくてはと足を運びました。もちろん彼らの演技が真に迫っていて観ていてとても怖かったです。このウイルスが世界規模に感染していく様子がリアルで今回のコロナの拡散をみているようでした。しかし、ウイルスの脅威だけでなく人々の欲望がそれに絡んで、さまざまなことが連鎖し、破壊されていくのを見せつけられます。キャッチコピーの「〝恐怖〟は、ウイルスより早く感染する。」というのが、コロナ禍が長引くであろう現在、まさにこの〝恐怖〟が蔓延しているのを実感させられます。この際地上波で放映すれば、もう少しみんな客観的になれて冷静さをもてるのではないでしょうか。もちろん、映画を参考にする日がこないほうがよかったのですが。