今一番行きたいのは、何と言っても映画館です。


 映画を観るなら自宅でも構わないという意見も多いと思いますが、あの閉ざされた暗闇の中、途中退出して戻っても巻き戻せない状態で、ひたすら目の前のスクリーンに集中しなくてはいけない空間に身を置きたいタイプの映画好きにとって、このコロナ禍の状況は本当につらいです。


 ところで、映画館以外でその世界を作品を楽しむ企画としてたまに作品の展示がデパートなどで開催されます。最初に行ったのは1997年公開『MISTY』の衣装展で、好きな俳優が着用したというだけでドキドキしたものです。会場は渋谷のパルコでしたが、ここはいろんな作品の展示をよくやっていました。



 ファンタジーやSF物が多いようですが、使用された衣装とかセットを実際に目にすることができるのがいいし、宣伝なので大抵は無料です。私の趣味ですが、『アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜』や『フランケンウィニー・アート展』それに『ティム・バートンの世界展』(これだけアート展として森美術館で開催)は、彼の創造する世界の一部をより深く知ることができてとてもおもしろかったです。






 いわゆる美術展とは違って、以前書いた『スター・ウォーズ展』や『映画・刀剣乱舞展』、模型や小道具が充実していた『種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展』など、その世界観が好きな人にしか入り込めない空間でいろいろな角度から鑑賞できるのがいいのだと思います。ただ、告知を逃すことも多いうえに公開期間が短いのが難点です。2週間限定公開で話題だった『クソ野郎と美しき世界』に合わせたポップアップショップは大変な盛況ぶりで、会場内に入ることもできず、映画で使用されたピアノや衣装、装飾品、BIGオブジェなどの展示が見れなかったのは残念でした。


 ほかには人気ドラマ版もあります。『きのう何食べた?展』『時効警察展はじめました』はそれぞれファンという友人を誘って行きましたが、すごく盛りあがりました。どちらも小規模な会場で、有料の時間予約制でも並ぶ大人気でした。思わずグッズも購入してしまいました。ロケ地巡りとはまた違う世界観が体験できました。





 番外編として実物展示ではありませんが、新宿武蔵野館では毎回広いロビーを使って上映中の映画に合わせたオリジナルディスプレイをしています。これがとてもユニークで、スタッフの映画愛を感じます。こういう映画館独自の工夫がいろいろあるのも本編上映があってこそ。やっぱり早く映画館へ行きたいです。