ずいぶん前から昭和感たっぷりな木造家屋を生かした居酒屋があちこち目につくようになって来たように思います。


 バブル全盛期、都内の密集した昔からの住宅地が、どんどん取り壊されていきましたが、あの嵐が過ぎ去って少し繁華街から離れた辺りにポツンと残されたような古い家屋は住むには家賃が高くなったのか、周りの環境の変化で住みづらくなって住人がいなくなってしまったのでしょうか。


 全国の古民家カフェをブロガーのハルが訪れるというドキュメンタリー風ドラマ仕立てのNHKの人気番組『ふるカフェ系ハルさんの休日』でたくさん紹介されていて、古さを生かして洒落たカフェが日本中に結構あるのだと思いました。


 で、今回は古民家でも行ったことのある居酒屋バージョンをいくつか取り上げようと思います。


 その中でまず紹介したいのは、今ではいつも大人気で、当日ふらっと行っても入れない神保町の「Bistro Aligo」です。1階は立ち飲みで隙間があればいけます。でも入りたいのは2階。わざと手を加えていない襖はボロボロでおしゃれとは言い難いですが、田舎の家という感じで気兼ねせずに楽しめます。そんな建物に反して料理は田舎フレンチ。店名になっている〝アリゴ〟はこだわって取り寄せている絶品のバゲットにつけて食べるのが最高に美味しいです。もう随分行っていないのでまた行きたいです。もう一軒神保町のお店で「味噌鐵カギロイ」。〝みそ〟をメインにした和食メニューで日本酒がたくさん並んでいます。こっちは小ぎれいな3階建て木造家屋で落ち着いた感じでくつろげます。



 友人が見つけた「ほぼ新宿のれん街 古民家七棟丸ごと。」というエリアは時代劇のセットのような雰囲気もあり、ちょっといい感じです。代々木駅のすぐ近くで最近整えられたらしく、いろんな料理の店があるのでどこにしようか迷ってしまいます。



 そして最後は、年に1度は行かずにはいられないお気に入りの店・下北沢の「都夏」。これで〝つげ〟と読みます。ここはかなり広いです。隣が空いた時につなげたそうで、1階の真ん中の壁を挟んで、カウンターに囲まれた厨房が両側にあります。2階もいくつかに襖で仕切られ、民宿のようでゆったりできます。何より美味しくてお手頃な庶民価格というのがありがたいですが、時間帯によっては予約をしないとなかなか入れません。



 コロナが落ち着いたら友人たちを誘って、これらの店に早く行ってみたいものです。