日本橋界隈に三越以外に大きな商業ビルはあまりなく、コンビニエンスストアもほとんどなかった10年ほど前まで、福徳神社はビルの中の飲食店の片隅にあり、たまたまそこでランチを食べたときに見つけたのですが、なぜこんなところにあるのか不思議でした。確かそこでは落語などのイベントも行われていたようで店内は広かったです。その後まもなく建て替えでそのビルはなくなり、神社はまた移動してしまいました。やがてCOREDO室町が次々と建てられ、その一角に神社が再建されることが完成予想図で明らかになり、とても楽しみでした。当然今度は、ちゃんとお参りできる大きさの神社です。それが完成するまでは敷地に残されていた割と大きな木の下にミニチュアの社がガラスケースに収められたかたちで置かれ、小さい賽銭箱もありました。それは今もあります。神社は千年以上の歴史があるようですが、流転し続けて今ようやく安住の地を得たわけです。


 そして、できあがってみて驚いたのが社の横の広場です。周りに樹木が囲うようにあり、中に可動式の箱入り樹木が設置され、堂々と「福徳の森」と命名されていました。「森?」と思いましたが、まぁ、ほかに言いようはないかもしれません。角度によっては、ずいぶん繁っているように写真に撮れますから。


 でも、この可動式の森はいろんなイベントができる仕組みになっていました。そのひとつに〝福徳の森 日本酒祭〟があります。


 今年で4回目ですが、第1回目から日本酒好き女子を誘って参加しています。今回は総勢6人でした。



 事前にチケットを購入し、当日は可愛いキャラクターのイラスト入りおちょこを受け取り、会場の蔵元の各ブースに並んでちょっとづつ注いでもらって立ち飲みするという呑んべえのためのイベントです。でも、実は日本酒はそんなに飲めないので、量にしたら2〜3杯くらいですが、この外飲みの非日常感、開放感が気持ちいいです。おつまみブースもありますが、売切れる前に急いで買って、それをつまみながら、いろんな味や強さのお酒を飲み比べていきます。やはり値段の高いもの、希少価値の高いものからなくなっていくのでそういうのからもらいます。それを皆で批評したり、蔵元の人がイケメンだとか、たわいもないおしゃべりをして次第にちょっとふわふわしてきた頃、時間制なのでちょうどいい感じで終了です。もっと飲みたいという人たちは、そこから三々五々居酒屋へ移動するようです。前回まで私たちはコーヒーで酔いを覚まして解散していましたが、今年はお店に移動し、さらに盛り上がって来年も集まろうという話になりました。