シリーズ『くすりになったコーヒー』
「健康な腸寿のすすめ」に行って来たので報告します(第234話も参照)。筆者が広報委員長のNPO法人・HAB研究機構が主催した第26回市民公開シンポジウムの一幕です。
それにしましても誰が名づけたのか、「腸寿」とは上手い表現ではありませんか!腸が元気で長持ちすれば、ご本人も「死ぬまで元気」との意味ですから、メタボなお腹を見る目が変わるというものです。
講師の金井隆典慶大医教授によれば「腸内フローラは腸の花園」で、ここで採れる美味しい蜜をいただくことで、「死ぬまで元気」でいられるそうです。草(野菜)に多い繊維質は実は腸内菌の栄養なので、草しか食べない牛のような生活こそが、「健康なフローラ」を育てる原理・原則なのだそうです。
●繊維質を食べるとお通じがつく訳とは?
人によって腸内菌の種類が少しずつ違っているので、人によって体に合う繊維質の種類も違うようです。豆、芋、ごぼう、緑黄色野菜・・・どれを食べるべきなのかは、自分の腸内菌に聞いてみるしかありません。人によってフローラに咲く花が違うんですね、きっと。
ということで、今回のシンポジウムは「糞便移植」を切っ掛けに、実に沢山のことを想像させてくれました。これまで漠然と「腸管免疫」と呼ばれていたその中身が、「フローラに元気がないとありとあらゆる免疫疾患につながってしまう」という話なので、原因不明の厄介な病気には、「フローラのお手入れ」という、いつでも誰でもやればできる方法を教えてくれました。レシピの基本を憶えておきましょう。
●健康な人の糞便から糞便薬を造る。
腸内菌の種類は500種、数は100兆匹だそうですから、どうやれば糞便薬として実用化できるでしょうか?そんなお話もちょっとだけありました。糞便薬がもし本当に実現すれば、今現在の薬とは似ても似つかない新薬になるのだそうです。でも製薬会社が作ってくれるのを待っているのではなくて、自分の腸内フローラを自分で育てるレシピ造りのほうが、ずっと楽しいとも感じました。勿論、コーヒーも加えてですよ。
さあ皆さんはどう思いますか?
●糞便薬ができたとしたら、医療用の処方薬?薬局で買えるOTC?それともサプリメントがいいですか?
使う身になって考えてみたいと思いました。
【追記】このシンポジウムはHAB学術年会の一部として公開したものです。
(第244話 完)
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