シリーズ『くすりになったコーヒー』


●「コーヒーで脳卒中予防」の期待高まる(第73話も参照)。


 USA Today3月11日号の切り抜きコピーを送ってくれたのは、千葉県の自宅ベランダでコーヒーを実らせた鈴木さん(第84話を参照)。記事の内容はスエーデン情報でした。スエーデンと言えば、ヨーロッパでもコーヒー好きが大勢いるお国柄ですから、何やら期待が膨らみます。



●毎日1杯のコーヒーを飲んでいるスエーデン女性は、飲まない人より脳卒中リスクが25%低い。


 この数字はハーバード大の報告とほとんど同じです。ということは、米国でもヨーロッパでも、1日1杯のコーヒーを飲む女性は、脳卒中に罹るリスクが低くなるということです。


 男性の場合はどうかと言いますと、何故か喫煙者だけにリスクの低下が見られます。これは一体どういうわけでしょうか?・・・想像ですが、喫煙男性は脳卒中のリスクが高いので、コーヒーの効き目が出やすいのかも知れません。


 ところで、日本人の脳卒中リスクとコーヒーの関係を調べた論文はありません。ですが、緑茶と脳卒中の関係については、興味深い結果が出ています。ですからコーヒーでも緑茶でも、カフェイン飲料がリスクを下げてくれるなら、こんな有難いことはありません。


●1日2〜3杯の緑茶を飲むと、脳卒中のリスクが下がる。


 新潟県十日町市周辺に住む住人を対象に行われた疫学調査結果です(詳しくは → こちら


 1日に飲む緑茶の回数とハザード比(飲まない人のリスクを1.00として比較)を表にまとめました。


 この表からわかることは、緑茶をよく飲む日本人男性の脳卒中リスクは、飲まない人の約30%にまで下がること、女性では緑茶の効き目がやや弱いことです。


 幸いなことに日本にはコーヒーも緑茶もありますから、好きな方を飲むか、両方飲むか、それは個人の自由です。好きなカフェイン飲料を飲んで脳卒中のリスクを減らせば、その分元気で長持ちするはずです。


●言っておきますけど、ボトル茶は気休めですよ。


(第93話 完)


栄養成分研究家 岡希太郎による
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