シリーズ『くすりになったコーヒー』



 拙著「珈琲一杯の薬理学」が中国語になりました。台湾と中国で10億人を超える人がコーヒー好きになったらいいな〜と願っています。それにしても「百薬之王」などと・・・中国人は相変わらず大袈裟ですねえ!(こちら )。



 さて、今日のお話は子宮体癌です。若い女性の子宮頚癌(しきゅうけいがん)をワクチンで予防する話が話題になっていますが、子宮体癌にワクチンはありません。確かな飲み薬もありません。しかし、


●毎日3杯のコーヒーを飲んでいると、子宮体癌リスクが38%まで下がる。


 この驚くべき結果を発表したのは国立がんセンターの疫学調査グループです(詳しくは → こちら )。


 論文に載っている表をグラフに書き直しました。図のグラフをご覧下さい。


 これは本当にびっくりするグラフです。ピカ新の新薬に勝るとも劣らない効果と言えます。何故コーヒーがくすりになっていないのでしょうか? いやいやそんなことになれば、美味しいコーヒーを処方箋で飲むようになってしまいます。そんなこと真っ平ですから、厚労省様!お願いですからコーヒーを薬にしないで下さい。



 子宮体癌の原因には女性ホルモンの関わりが大きいそうです。他にインスリン抵抗性も原因の1つとされています。疫学調査によれば、肥満と糖尿病は子宮体癌リスク要因なのです。まとめますと、女性ホルモンとインスリンという2大ホルモンの異常が子宮体癌の大きな原因と言えるのです。


 女性である以上、女性ホルモンを自分でどうこうすることはできません。片や、インスリンの異常はコーヒーを飲むことでコントロール可能です(第58話を参照)。2大原因のうち片方でも消せるなら、子宮体がんのリスクは大幅に下がるというわけです。


 閉経期が近づいた女性の皆さん、あるいは閉経期で色々不定愁訴が生じている女性の皆さん、これまではコーヒーを飲んだことがないとしても、美味しいコーヒーがお勧めですよ!


●何しろ珈琲は百薬之王ですから。再見!


(第69話 完)


栄養成分研究家 岡希太郎による
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