シリーズ『くすりになったコーヒー』


 一昨年、本格的健康コーヒーとして「希太郎ブレンド」がNHKテレビで話題になりました(詳しくは → NHKオンデマンド)。

「希太郎ブレンド」とは焙煎度の差が最大となる2種類の焙煎豆を混合すること、および任意の比率で混合して作るブレンドコーヒーのことです。



●希太郎ブレンドの調製法は日本特許で保護されている。

 筆者がコーヒー研究を始めた今世紀のはじめ、市販焙煎豆の主流はブレンドでした。産地が異なる豆、品種が異なる豆等々、異なる2~3種類の生豆を混合して焙煎したものでした。異なる焙煎度の豆を煎ってから混ぜるブレンドは、筆者が探した限り見つかりませんでした。今もその状況はほとんど変わっていません。


●特許第477106号 改質コーヒー及びコーヒー豆の焙煎方法;特許第4771064号 コーヒー用サプリメント及び補助食品

 これらの特許は登録後10年を経過して、その間、愛知県豊橋市にある㈱ワルツが「カラダ想いブレンド 爽快」として販売を続けています。飲んだ人からは「美味しい、飲みやすい」といった評価をいただいいます。しかし、新しいブレンド法の知名度は今一つ物足りない感がありました。それがある日突然「希太郎ブレンド」として大変身したのです。勿論、「爽快」の焙煎法に、更なるテクノロジーを加えて煎った豆の成分比は、生活習慣病に留まらず、自然免疫力を高める効き目に焦点を絞った数値になっています。


●「希太郎ブレンド」は突然やってきた。



 「希太郎ブレンド」は、2019年のNHK番組収録の途中で、ディレクターのフリップボードに派手に書かれていた名称です。筆者はびっくりしましたが、皆が良い名前だと言ってくれました。昨年は同じくNHKのあさイチで紹介されて、華丸大吉さんが「希太郎ブレンド!」と連呼してPRしてくれました。でも悲しいかな、TVはそのとき限りの打ち上げ花火のようなものなのです。



●医薬経済社がNHKの許可を貰って「希太郎ブレンド」を正式に意匠登録しました。

筆者は数日前に試作品を試飲しました。ドリップバッグを開いたとたんに広がったエチオピアの香、飲んだ時のスペシャルティーの味覚・・・どちらをとっても令和のコーヒーに間違いない風味でした。



●バッグに「健康珈琲」の表示がありますが、詳しいことは書いてありません。

 「いくら健康に良いと言っても、美味しくなければコーヒーではない」・・・㈱ワルツ社の元社長のお言葉です。裏返せば、「美味しいコーヒーは薬になる」ということです。



●希太郎ブレンドの詳細はブログのアーカイブに書かれています、ご参照ください。

第439話 「希太郎ブレンド」が苦くない訳 

(第452話 完)