「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」(全世代型社会保障法)の施行に伴い、25年4月から「かかりつけ医機能報告制度」が実施される。国民・患者が、そのニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できる情報提供の環境を強化、地域の各医療機関には、自院が有する機能や専門性に応じた連携ネットワーク構築が求められている。具体的には高齢患者に多い、複数の医療・介護ニーズをもつ患者に対し、「治す医療」から「治し、支える医療」を実現するため、かかりつけ医機能の報告制度が導入されたものだ。
厚生労働省は10月18日、この報告制度について第1回の自治体向け説明会を実施した。報告制度の対象となるのは、特定機能病院と歯科医療機関を除くすべての医療機関で、「日常的な診療を総合的・継続的に行う機能(1号機能)」をもつ医療機関となる。さらに、1号機能をもつ施設は、時間外診療や入退院の支援、在宅医療の提供、介護と連携した医療の提供機能などの2号機能も報告するとされている。都道府県は、報告した医療機関が「かかりつけ医機能を確保している」ことを確認したうえで地域の医療関係者と協議し、確保体制について公表し、患者の要望に適切に応えようとするものだ。
1号機能とは、継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患の診療その他の日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能のことで、①当該機能を有することと報告事項について院内掲示により公表していること、②かかりつけ医機能に関する研修終了者の有無や総合診療専門医の有無、③診療領域ごとの1次診療の対応可能の有無、1次診療を行うことができる疾患、④医療に関する患者からの相談に応じることができること——などを挙げた。
2号機能とは、①通常の診療時間外の診療(自院または連携による時間外診療体制の確保状況、連携医療機関の名称など)、②入退院時の支援(後方の支援病院の確保や共同指導の機能など)、③在宅医療の提供(自院や連携による在宅医療の提供体制の確保状況)、介護等と連携した医療の提供(介護サービスの事業者との連携する医療)——などとしている。