キッセイ、化合物精製プロセス自動化へ基盤整備

 キッセイ薬品工業は10月16日、クロマジーンの「低分子化合物分析・分取プラットフォーム」を導入したと発表した。クロマトグラフィーによる低分子化合物の精製工程をシステム化したのが特長。これにより、精製工程を規格化・省力化・高速化でき、「いつでもどこでも誰でも同じ結果」(クロマジーン)が得られるようになるという。キッセイは、今回の導入を通じ、合成化合物の精製プロセスを自動化。創造的研究に研究員が取り組めるようにすることで新薬候補化合物がより短期間で生み出せるようになることを狙う。クロマジーンは17年の設立で、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)に本社を置く。


アリキュス、ピトリサント治験が好結果、申請へ

 アキュリスファーマは10月21日、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬「ピトリサント」(一般名)について、国内第Ⅲ相試験で主要評価項目を達成したと発表した。ナルコレプシー患者に対し、同剤を8週間経口投与したときに、日中の眠気を調べる「エプワース眠気尺度」を主要評価項目として設定し、プラセボと比較したところ、統計的に有意だった。この結果をもとに承認申請をする予定だが、時期は現時点で開示していない。


ファンペップ/塩野義、ワクチンアジュバントで共同研究

 ファンペップは10月11日、塩野義製薬と抗体誘導ペプチドの新規アジュバントに関する共同研究を始めたと発表した。塩野義が持つワクチン開発のノウハウを活用し、抗体誘導ペプチドの有効性などを高める新規アジュバントの探索をめざす。塩野義は新規アジュバントの製剤検討を行い、ファンペップは動物試験での薬効評価と安全性評価を担うという。費用は担当する役割の部分をそれぞれで負担する。


アルミノックス治療が複数がんで医師主導治験

 楽天メディカルは10月15日、光免疫療法を技術基盤とした「アルミノックス治療」について、北海道大学病院が外陰がん、膣がん、子宮頸がんを対象に医師主導治験を開始したと発表した。安全性と有効性を評価する単群・非盲検第Ⅱ相試験で、1日から症例登録を開始した。目標症例数は16例で、まずは3つのがん腫を含む4例で安全性コホートを実施する。主要評価項目は腫瘍縮小効果の有無。得られた結果を踏まえ、楽天メディカルが企業主導の第Ⅲ相を実施するか判断し、適応拡大につなげたい考えだ。アルミノックス治療はEGFR(上皮成長因子受容体)標的の抗体光感受性物質複合体「アキャルックス」投与後、薬剤が集積したがん細胞にレーザー光を照射すると光化学反応を起こして効果を示す。頭頸部がんで実用化され、21年から使用可能になった。


タカラバイオ、バイオCDMOサービスを拡充

 タカラバイオは10月8日、抗体医薬品を中心としたバイオCDMOサービスを拡充すると発表した。国内最大規模のシングルユースバイオリアクターを活用し、数十リットル〜3000リットル級での受託が行えるようにする。今年4月に開始した3000リットルの培養サイズのバイオリアクターと大規模精製プロセス設備も用い、抗体を中心としたタンパク質製造に対するさまざまなニーズに対応できる体制を敷く。