レケンビ承認、豪州当局が推奨せず
エーザイと米バイオジェンは10月17日、早期アルツハイマー病(AD)治療薬「レケンビ」について、オーストラリア医療製品管理局(TGA)が早期ADの治療法として推奨しないとする初期の審査結果を公表したことを明らかにした。エーザイは90日以内に再審議申請を行い、申請から60日以内にTGAによる最終判断が下される見込み。TGAは有効性が安全上のリスクを上回らないことが推奨しない理由と説明。「臨床試験データでは、レケンビで治療した患者はプラセボ投与された患者と比較し病気の進行が軽減したことが実証された」としつつも「意味のある臨床的利益をもたらすほど、関連する安全リスクを上回るものではないと判断された」としている。
エンハーツ、中国で非小細胞肺がんの適応追加
第一三共は10月15日、HER2を標的にした抗体薬物複合体「エンハーツ」が中国で適応追加承認を取得したと発表した。新たな適応は「全身治療歴のある活性化HER2遺伝子変異を有する切除不能、局所進行または転移性の非小細胞肺がん」。条件付き承認で、検証的試験による臨床的有用性の検証が条件となる。国際第Ⅱ相試験「DESTINY-Lung02」と中国第Ⅱ相「DESTINY-Lung05」に基づくもの。HER2陽性乳がん2次治療、化学療法既治療のHER2低発現乳がん、HER2陽性胃がんの3次治療に続き4つ目の適応となった。
ルンドベック、希少てんかん薬開発中のロングボード買収
デンマークのルンドベックは10月14日、米ロングボード・ファーマシューティカルズを現金約26億ドルで買収することで合意したと発表した。ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群、その他の希少てんかんに伴う発作に対する第Ⅲ相試験が進んでいる5-HT2C作動薬「ベキシカセリン」を取得する。ルンドベックは神経科学パイプラインの拡大をめざす。買収は今年後半に完了の見込み。
アステラス、英アビアドと遺伝子治療で契約
アステラス製薬は10月8日、英アビアドバイオと遺伝子治療プログラムに対するオプション契約を締結したと発表した。アステラスが全世界での「プログラニュリン遺伝子変異を伴う前頭側頭型認知症(FTD︱GRN)」やその他の適応症を対象とする開発・商業化に関する独占的なライセンスを得るオプション権を取得。アビアドに対し株式購入対価として2000万ドルと、一時金として最大3000万ドルを支払う。オプション権を行使した場合にそれに伴う支払いと、マイルストンとして最大21億8000万ドルのロイヤリティを支払う可能性がある。アビアドの「AVB︱101」は、アデノ随伴ウイルスベクターを利用した遺伝子治療プログラム。
リベルサス、2型糖尿病患者の心血管系イベントリスクを低減
デンマークのノボノルディスクは10月21日、リベルサスの最新データを発表した。心血管疾患または慢性腎臓病が確立している2型糖尿病患者の主要有害心血管イベントで同薬がプラセボに比べ14%減少した。今回の心血管アウトカム試験のデータに基づき、来年初頭にも米欧で適応追加を申請する。
トロデルビの膀胱がん適応での販売を中止
米ギリアド・サイエンシズは10月18日、「トロデルビ」について、検証的治験で主要評価項目を達成できなかったことから、膀胱がんの適応からは撤退を決めたと発表した。別の適応では販売を続ける。6月に公表した「TROPiCS-04」データによると、トロデルビが転移性膀胱がんの全生存期間を改善できず、また同薬群で有害事象による死亡が多かった。