学会トップにも謝金が


 もともと糖尿病治療薬を販売するノボとの付き合いがあり、ウゴービだけの関係というわけではないだろうが、数百万円単位でノボからGL作成委員に流れており、果たして本当に企業側への配慮はなかったのか疑いたくなる。学会側がGLの発表会見で、あえて企業側と意見交換をしたことを明らかにしたのは、後にカネの関係も含めた利益相反を批判されることへの予防線だったのではないかと勘ぐってしまう。


 さらに学会理事長である千葉大学大学院の横手幸太郎教授に関しても調べてみると、ノボから計476万円をもらっていた。学会のトップが率先するかのように製薬企業からカネを受け取っているのだから、この学会の体質がよくわかる。横手教授は製薬企業からのカネ集めが得意なことで有名。今年4月に千葉大学の学長に就任したが、選考過程が不透明ということで教授会などから批判を浴びた。後に選考理由の資料が公開されたものの、横手教授について「人格は高潔」と評されており、さらに批判を招く結果となっている。


 肥満症薬をめぐる開発競争は激化している。ノボを追うように、5月には日本イーライリリーが糖尿病薬「チルゼパチド」(一般名)の肥満症への拡大を厚労省に申請したと発表。アムジェンや塩野義製薬、ファイザーも日本での開発に乗り出した。肥満症薬マネーで潤う医師が増えるのはこれからだ。