自民大敗を織り込み、トランプ氏返り咲きで株価はいったん底入れ。
医薬株は中外製薬を皮切りに決算相場突入。
10月の東京株式市場は最終日31日の終値で、日経平均株価が前月末比1161円(3.1%)高の3万9081円、TOPIX(東証株価指数、図1)が49.3ポイント(1.9%)高の2695.5となり、いずれも月間では4ヵ月ぶりに反発した。
日経平均は9月27日の自民党総裁選での石破茂氏勝利を受け、週明け30日終値は今年3番目の下げ幅となる1910円安に。10月に入っても1日に732円高、2日に843円安、3日に743円高とボラティリティ(株価の変動性)の高い相場が続いた。
ただ、日本時間の10月4日夜発表の米国雇用統計(9月分)で非農業部門の就業者数の増加が市場予想を10万人以上上回ったことから、米国では10月第2週(10月7〜11日)以降にNYダウ工業株30種平均が騰勢を強め、9日の終値で最高値を更新。14日には初の4万3000ドル台に。米国株の好調を背景に日経平均も3連休明け15日にはザラ場(取引時間中)で7月19日以来となる4万円台を回復、終値でも10月月間高値となる3万9910円をつけた。
が、オランダの半導体製造装置大手ASMLが15日発表した業績予想下方修正が世界的な半導体株安を惹起。さらに日本では27日の衆議院総選挙で自民党が大敗するとの見通しが強まり、衆院選直前の25日終値で、日経平均が3万8000円を割り込んだ。
この間、政治情勢の不透明感から海外投資家の間には日本株買い控えの動きが強まり、東証プライム市場の1日当たり売買代金は25日に3兆1579億円と、昨年12月29日大納会(3兆0818億円)以来の薄商いに沈んだ。27日の衆院選で予想どおりの結果が出ると、自民党大敗はすでに株式相場に織り込まれていたため、商いも戻り、アク抜け感から28日の日経平均はいったん反発した。
11月に入り政治イベント通過によるアク抜けが大きく出たのが米国市場だ。10月はNYダウが18日、ナスダック総合指数が29日にそれぞれ最高値を更新したが、11月5日の米大統領選挙でトランプ氏返り咲きが確実になったことを受け、翌6日終値でNYダウは1508ドル高の4万3729ドル、ナスダックは544ポイント高の1万8983といずれも最高値を大きく更新。日本でも5日の営業時間中にトランプ氏優勢が伝えられ、日経平均は421円高、翌6日には1005円高と大きく値を上げている。11月11日には衆院選後の首班指名選挙を控えているものの、10月第4週(10月28日〜11月1日)以降は政治相場よりも決算相場の様相が強まっている。