英グラクソ・スミスクラインは、同社とヴィーヴヘルスケアのHIV曝露前予防(PrEP)薬「アプレチュード」の感染予防効果が実臨床データの分析結果から99%以上になったと発表した。この結果は約1300人が登録したOPERAコホートとTrioHealthコホートから得られたもので、ヴィーヴは「臨床試験という管理された環境以外でも、アプレチュードの強力かつ持続的な有効性を裏付けるものとなった」としている。これらデータは、HIV曝露前のアプレチュード使用がHIV予防に非常に効果的な選択肢であることを示しており、過去3年間に得られた好データにさらに追加されることとなった。
シスジェンダーとトランスジェンダーの男女が参加したTrioHealthでは、アプレチュード服用患者のうち、追跡調査中にHIVと診断された人はいなかった。服用を怠った参加者はわずか3%だった。同様の結果はOPERAからも得られており、アプレチュード服用患者764人中762人が追跡調査中もHIVに感染しておらず、有効率は99.7%だった。HIVと診断された2人の患者のうち、1人はアプレチュードを中止し、もう1人は検査に一貫性がなかった。ヴィーヴによれば、これらの患者のHIV診断は 同薬のレジメンと直接関連づけることはできないと結論付けた。
PrEP市場で競合する米ギリアド・サイエンシズは、年2回の投与オプションの承認に向けて急ピッチで動いている。ギリアドは第Ⅱ相PURPOSE1試験データについて、PrEP注射薬「レナカパビル」がシスジェンダー女性のHIV予防に100%の有効性を示したと発表した。また、ギリアドはPURPOSE2の中間報告でもこの結果を補強した。多様な研究集団による年2回の注射でHIV感染を96%減少させたという。参加者2180人のうち、HIVと診断された患者はわずか2人で、分析時点で参加者の99.9%がHIVに感染していないことが示唆された。ギリアドは年内に承認申請し、25年の上市をめざしている。