アッヴィ、AD病薬開発に特化するアリアダを買収
米アッヴィは10月31日、米アリアダ・セラピューティクスを14億ドルで買収すると発表した。これによりアッヴィは、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬として第Ⅰ相試験中の抗ピログルタミン酸アミロイドβ抗体「ALIA-1758」などを獲得する。アリアダの保有するMODELプラットフォームは、治療用抗体や遺伝子医薬品を含む、さまざまな種類の生物学的積荷を脳に送達するように設計している。
ケサンラ、医療保険での推奨なくも英国で承認
英国医療技術評価機構(NICE)は10月23日、米イーライリリーの早期AD治療薬「ケサンラ」について、公的医療保険である英国国民保険サービス(NHS)に「価値を示せていない」との声明を発表した。定期的な点滴や重篤な副作用へのモニタリングといったコストは、患者の「小さなベネフィット」にしか釣り合わず「納税者にとってよい価値とは言えない」と断じた。一方でNICEは、同薬が新たな治療選択肢であることから、エビデンスが不明確な領域にはリリーとNHSに追加情報を提供するよう求めている。NHS適用の推奨などについて盛り込むNICEガイダンス案に関する協議は11月20日で終了するとしている。一方、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)はケサンラを承認した。4週間ごとの点滴静注で成人の軽度認知障害とアルツハイマー病による軽度認知症患者に使用できる。
GSK、チマジェンから自己免疫疾患治療薬を導入
英グラクソ・スミスクラインは10月29日、中国チマジェン・バイオサイエンシズから約8億5000万ドルでT細胞エンゲージャー「CMGIA46」を導入すると発表した。GSKはCMGIA46を全身性エリテマトーデスやループス腎炎などB細胞駆動性自己免疫疾患に焦点を当てて開発・商業化する計画で、さらに関連する自己免疫疾患にも拡大する可能性があるとしている。同薬は白血病とリンパ腫を対象に初期段階の臨床試験が行われており、GSKは25年にループス腎炎での第Ⅰ相試験の開始をめざしている。
セマグルチド、脂肪肝炎の治験で好結果
デンマークのノボノルディスクは11月1日、「セマグルチド」が代謝機能障害関連脂肪肝炎患者の肝線維症においてプラセボより優れた改善を示したと発表した。セマグルチドは重要な第Ⅲ相のパート1で主要評価項目を達成。プラセボと比較し統計学的に有意で、脂肪肝炎の悪化を伴わない肝線維症の改善、および肝線維症の悪化を伴わない脂肪肝炎の消失を示した。ノボは25年前半に米国とEUで適応追加申請を行う予定だ。
セムブリックス、慢性骨髄性白血病薬で米国承認
米国食品医薬品局(FDA)は10月30日、ノバルティスの「セムブリックス」について、新たに慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病と診断された成人患者への使用を早期承認すると発表した。同薬はSTAMP阻害剤で、イマチニブや第2世代チロシンキナーゼ阻害剤と比較し、有効性を示した初めての慢性骨髄性白血病薬となった。
アステラス、加齢黄斑変性治療剤の欧州申請取り下げ
アステラス製薬は10月28日、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤「アバシンカプタドペゴル」について、欧州医薬品庁(EMA)に提出していた販売承認申請を取り下げると発表した。EMAの諮問機関である欧州医薬品委員会との議論の結果に基づき決定した。米国では23年8月に「アイザーヴェイ」の製品名で承認を取得していた。国内での申請については当局と議論中という。同剤は、アステラスが23年に約8000億円を投じて買収した米アイベリック・バイオが開発した。27年頃に迎える主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」の特許切れを補う製品として期待しており、7月時点でグローバルでのピーク時予想を最大4000億円に設定している。