対応すべき策はいくつもある


 では、どのように対応したらいいのか。以前も述べたが、やはり薬機規制の先輩である欧米がどのようにやっているかを学ぶべきである。このような供給に支障が出ている事態であるならば、若干の欧米のエピソードに基づき、あとは推察であるが、たとえGMP等に問題があっても、規格に合致していればとりあえず流通は許すのではないか。そして供給不安の発生を抑えつつ、問題のある企業への指導はもちろん続ける。そして、時間をかけて過剰な承認書主義(米欧には承認書はないが)を改め、規制当局内の人員配置をこの場合増員の必要なジェネリック部門に比重を移し、無駄な相談を減らすために詳しい事例等を多く含むガイダンスを出す(9月30日通知にその意図は見えるが、実現はこれからである)。相談料が減り、PMDAの財務に影響があるならば、相談数を維持するより手数料の値上げを業界に諮る。そして、PMDA全体の問題はMID-NETのような金食い虫だが、もはや民間に任せたほうがよいと思われるものは、大胆に見直す。GMP調査体制の改善に際しても、十分に根回しをするなどである。


 冒頭の川上構成員は唯一「原因や背景調査をしなければ再発防止や対策につながらない」と発言している。業界はまず川上氏を訪れ、承認書製造方法欄記載指針やその見直し、米欧でのプラクティスやこのような些末な問題に拘る愚を説明し、理解を得るべきである。遅きに失してはいるが、今行動しないととんでもないことになるだろう。他の構成員でも理解している方たちがいるのではないか。