11月14日、米国のドナルド・トランプ次期大統領がロバート・F・ケネディ・ジュニア氏を保健福祉省長官(HHS)に起用すると発表した。同省は医薬行政の要であるFDA(米国食品医薬品局)やCDC(米国疾病予防管理センター)を管轄しており、同氏は米国予算の4分の1を掌握することになるという。
ケネディ氏の起用を米国および国内の大手メディアは歓迎していないようだ。同氏は「ワクチンは自閉症の原因だ」「新型コロナウイルスワクチンは最も致死性が高い」といった主張を繰り返す「反ワクチン」の「陰謀論者」で、子グマの死体をニューヨークの公園に放置するいたずらを告白して物議を醸したという報道もされた。
確かに賛否の分かれる問題について極論を言うところがあるかもしれない。だが、ケネディ氏の発言を聞いていると、賛成できる意見が多い。たとえば、トランプ再選の翌11月6日に配信された、元FOXニュースの看板キャスターだったタッカー・カールソンが行ったライブ・インタビューで、ケネディ氏は次のような発言をしている(一部抜粋要約)。
「私は人々からワクチンを奪いたいわけではない。年間7600万人の健康な子どもたちがワクチン接種を義務付けられている。したがってリスクがないように、しっかりしたものでなくてはならない。だが、72種類のワクチンのうち、承認前の安全性試験で二重盲検プラセボ対照試験を経たものはひとつもない。私がホワイトハウスで仕事を任されたら、これらの研究が確実に行われるようにして、承認する委員会には利益相反のない人が選ばれるようにする」