24年も年末を迎え、25年度の政府予算編成も佳境に入りつつある。製薬業界は25年度薬価改定の行方を固唾を飲んで見守っている。中間改定は実施されるのか、実施されるとすればその内容はどのようなものかを気に掛けている。


 現在のところ、医薬品業界の吉兆は見えていない。不足する財源の穴埋めに薬価が引き下げられる可能性が高い。製薬業界の産業構造が大きく変革されない限り、この傾向は続くだろう。業界構造は、新薬開発グループと特許切れ品を扱うグループに二分される。


 近年の医薬品供給不足は主に後発品に起因している。小林化工などによる医薬品医療機器法違反の業務停止処分に発端があり、他企業にも処分が及んでいる元凶は業界特有の体質にある。


 特許切れ品市場の問題は、後発品を扱うグループ会社の数が多いことだ。後発品製造会社は約180社もあり、同じ有効成分を複数社が価格競争しながら販売している。10社以上が同成分でシェアを食い合うのも珍しくない。